第6話 もしも目玉が…。

 深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているという。


 であれば。


 であれば、だ。


 スカートの中を覗くとき、スカートの中もまたこちらを覗いているのではないか?


「いや、そうはならんやろ」


 だと思った!


「なんやねん。言いたかっただけかい」


 そんな機能が搭載されたパンツが市販されてみろ。それこそ目玉商品になってしまう!(ドヤァ)


「…………」


 スカートの中に目があるなんて、もう目玉商品としか――


「解説せんでええ。呆れとるだけや」


 ここは笑うとこだぞ。


「知るか!」


 しかし実際、スカートの中を覗いたらこっちも覗かれていた……なんて状況になったら、それはつまり見つめ合ってるということだよな?


「え? まあ、そうなるんかな?」


 工藤静香によると、目と目で通じ合うらしいんだが。


「選曲が古すぎん?」


 目が逢う瞬間、好きだと気付いたという胸の貧しいアイドルもいる。


「貧しい言うな。控えめとか言い方あるやろ。てか、それももう15年以上前や……」


 千早、元気かな。もうアラサーか。


「昔の友達か。てかリアル換算やめーや。のび太くんもしんちゃんも年取らんやろ。そういう世界や」


 いや待て。ひまわりは成長してないか……?


「怖い怖い! 怒られるって! もう止めようや、この話」


 じゃあ話を戻すが、スカートの中を覗いて見つめ合った場合――


「そこに戻すんかい」


『今、私のパンツ見たでしょ。変態!』


「なんか始まった。まあ、そら怒られるわな」


『誰にも見せたことなかったのに……。責任取ってもらうわよ!』


「んん?」


『かわいい苺柄だったぜ?』

『べ、別にあんたに見せたくて履いてたわけじゃないんだからね!』

『じゃあどうしてYouはパンティーを?』

『だって、何も履かないとノーパンになっちゃうでしょ』

『別にいいじゃねーか。でれししし』


「笑い方のクセ強ない!?」


『また明日も見せてくれよな。あばよ、子猫ちゃん』

『ちょっと! 待ちなさーい!!』

『ハハハ、おもしれー女』


「普通に笑えるんかい」


『こらー! 責任とれー! 逃げるなー! 卑怯者ーーーー!!』


「炭治郎になってるやん」


 ――とまあ、こういう展開が予想されるわけだが。


「どうしたらこんな予想になるねん。得意の三文小説やないかい」


 そう褒めるな。確かに自信作ではあるんだが、一つだけ意見を聞かせてくれないか。


「褒めてへんが、なんや。言うてみい」


 やはり苺柄は攻めすぎだろうか?


「そんなんどうでもええわ!」


『はいはい、どうせTバック以外は認めないとか言うんでしょ。知ってるんだからね。でもさ、私だって好き好んで苺のパンツを履いてるんじゃないの。最近は規制が厳しいのよ』


「いや、お前は誰やねん」


 誰って、メインヒロインの1人だが。お前、まさか原作読んでないのか?


「原作あったんかい」


 目玉のパンツと一緒に悪い妖怪を退治する話なんだが……。


「ん、待て待て。もしかして……夜は? 夜は何してるん?」


 夜は墓場で運動会をしているな。


「ダメダメ! アカンて! 著作権とか倫理観とか門限とか色々心配なるわ」


 心配事の尽きん男め。だから禿げるんだ。


「禿げてへんわ」


 眉間もなんにもない!


「あるわボケ。俺をハゲで眉毛が繋がってるキャラに仕立てんな。絵がないんやから信じてしまう人おったらどないすんねん」


 この男、頭はクリリン、眉は両さん、口調は食堂のおばちゃんなのである。


「言いがかりは許しまへんで〜! って、鵺とかキメラの伝承風にデマ流すな」


 口調はやすし師匠なのである。


「怒るでしかし! もうええわ、帰るで」


 あー。

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こちら対魔王軍情報部 千日越エル @over1000days

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