*CLONE

ルベとクリスは同じように狂っていた。

そんな2人の間に生まれたのが、フリスクと呼ばれる女の子だった。

ルベは女研究員に事情を説明した後、ケツイの目が受け継がれていることを確認した。

幻のケツイの目はいい値段で売れる。

だからこそ、ルベらは「ケツイの目を量産する」という愚かな行いをした。


ルベ「それで、クローンはできたかい?」

女研究員「はい、出来ましたが…ほとんどのクローンは死んでしまいました。

死亡したクローンの目を調べてみたところ、ケツイの目は受け継がれていませんでした。

残っているのはこの一人だけです」

ルベ「ええ?受け継がれていなかっただぁ?

ちょっと待て、その生き残ったクローンはケツイの目を持っているのか?」

女研究員「それが…恐らく目が開かないようで…」

ルベ「くり抜けばいいだろう。何を言っている」

女研究員「そうしたらクローンが傷ついてしまいます」

ルベ「別にいい。私が欲しいのはケツイの目だけだ」

女研究員「待ってください、オリジナルからクローン作りの為に抽出できる遺伝子はこれが限界です。

ですからこのクローンから更にクローンを作り出さなければなりません。

それを傷つけるというのは如何なものかと」

ルベ「それはそうだな…。

お前の見解だと、このクローンにケツイの目はあると思うか?」

女研究員「はい。

ケツイの目は、その子のケツイで出来ていますから、生き残るということはそれだけのケツイを持っているということで…。」

ルベ「うむ。分かった。

それで、オリジナルは?」

女研究員「えっと、オリジナルは…」

ルベ「オリジナルはいつ目を覚ますんだ?」

女研究員「わ、わかりません…」

ルベ「ちょっと待て?ソウルは何処だ?」

女研究員「な、なんでしょう」

ルベ「フリスクのソウルは何処だ!」

女研究員「わ、わ、わかりません…」

ルベ「何か知ってるだろ、おい」

女研究員「わ、わかりました、正直に話します。

えっと…その…

ソウルが…フリスクの体の中にめり込んでいってしまいまして…」

ルベ「は?つまり、ソウルを取り出せなくなったということか?だからクローンはもう作れないとでもいうのか?」

女研究員「はい…何故…めり込んでいったのかはわかりません…」

ルベ「いや、もういい。

無理矢理にでも出してやる!

傷つけぬようにな、クリスに返す時にバレたら殺されるから!」

女研究員「ちょ、ちょっと待って、待って」

ルベ「何だ!!」

女研究員「ソウルが…」

ルベ「は?」



ルベが目を見開いた時には、視界が光だらけだった。

その光は…フリスクの目から放たれていたものだった。

フリスクはそのケツイの力で……。



ちからで………。






ルベ「何故だ!!!!!」

女研究員「そんな……」

ルベ「ケツイのちからは…恐ろしい…」

女研究員「おかしいわ、ニンゲンのソウルは死んだらそのままのはずよ!!

どうして?


どうして、砕けたの?」



*さいしょでさいごの ケツイがみなぎった。




ルベ「クリスに…殺される…。」

女研究員「いいや、待ってください」

ルベ「何だ」

女研究員「クローンのソウルは…まだ残っています!」

ルベ「そうか…そうか!

クローンをオリジナルの代わりに…」

女研究員「いいえ、クローンの身体の体力は大幅に下がっています。クリスさんの願いは「強くしてくれ」でしたので…

クローンをソウルごと育てて、オリジナルのケツイに潰されないぐらいになったら、オリジナルに移し替えるべきです」

ルベ「つまり、俺達が育てるってのか?」

女研究員「そうです、クリスさんにバレないところでこっそりと…」

ルベ「へへ…イカれてやがるぜ」


女研究員「……イカれてるのはどっちでしょうね。」










*ねぇ フリスク。

*きいてる?オリジナル。

*わたし ここまできてよかったのかな。

*キミのフリして よかったのかな。

*フリスクだけに。

*ジョークはけっこう?やめてよ。

*これでも [オモイビト]にきたえられたんだからね。

*このしあわせは ほんらいキミがてにいれるべきだった。

*そしてわたしは キミとはべつべつのじんせいをいきるべきだったんだ。

*そして まためぐりあったときに…。

*レストランで おいしいものたべながら…。

*ねぇ。

*もし キミとあえたのなら…。


*はなしをしてみたかった。

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UNDERTRUE 時雨。 @AYANgggkkk

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