箱入り王子、出生の話。

おまけ小話

彼は箱庭の落胤と呼ばれていた。

名前はグレイス。

箱入り王子。



出生の話。




スラディア王国、第十三代国王。

彼は離宮に、ある女性を閉じ込めていた。

平民の女性でありながら可憐な容姿で、その美貌は王宮にも噂が広まるくらい有名だった。


一目惚れをした国王は誰の目にも触れないように彼女を閉じ込めた。

国王には正室がいるがそれはお飾りの王妃で、本命は愛妾のレイチェル。


レイチェルも一人の王子を生み、その子はグレイスと名付けられた。レイチェルはしばらくしてこの世を去る。

レイチェルが亡くなるとレイチェルにそっくりだった幼いグレイスは姫のように扱われた。


だが、成長するにつれて男らしくなっていくグレイス。

国王は次第にグレイスに興味を失っていき、会話すらしなくなっていった。


空気になったグレイスは正室の王妃にもその子どもの王子にも邪険に扱われる。

グレイスは離宮からほとんど出られず、自由とは言えない暮らしをしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アマリアの失恋記 蟹井のん @kanii_non

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ