集合的個人

トマト

??????????????????????

何をすればこのつまらない日常から抜け出せるのだろうか、シャッターに閉ざされた部屋で電気をつけ、扇風機と布団しかない殺風景な部屋で朝食を食べ、パソコンと向かい合いただひたすらにスクロールボタンを押し続け、気づけば18時になり、いつの間にか朝、そんなロボットでもできそうな日常の繰り返し、この日常はまるで日常は色の抜けたガムのよう、そんな色の抜けたガムをかむ私は一体何なのだろうか、貧乏人、金はある、いや遊ぶ時間がなければ何の意味もないな、恐ろしく感性が抜け落ちた人間とでも言おうか、感性が抜け落ちた人間は人間と言えるのだろうか?味が抜けたガムもガムというのだから感性の抜け落ちた私もまた人間というのだろう、ただ人間とロボットというカテゴリーがなければ、この先は考えないことにしている、さらに悲しくなってくるから、寝る前になるといつもこんなことを考えてしまう、そんな風にして今日も終わりを告げる、夕方に成り西の空から眩しい光が右の頬を照らす、なぜだろうか左の頬にぬくもりを感じる、振り向くと夕日のように輝く鏡があった、なんとなく自分の姿を見ると、ポツンという何かが落ちたような音が聞こえた、音の方へ目を向けると小さな木炭?のような物が落ちていた、顔を上げると美しい夕日と私の顔が映し出されていた、私の顔はひどくねじ曲がりよだれを垂らすように、ポツンポツンと口から木炭?のような物がこぼれ落ちていた、あまりの気持ち悪さに眼をそらそうとしたとき、突然あたりが眩しくなり体に激痛が走った、私の視界はどんどん白くなり、パっという爆発音とともに視界が地面に近づいていき、ポツンという何かが落ちたような音がした、すると地面がぬるぬるし始め木炭?が俺の左右にくっつき、視界が暗くなった、すると足音が聞こえ始め、ぬちゃという音が鳴り視界が一気に眩しくなった、すると鏡にいつも通りの俺?の顔が映り、木炭?が落下していく、どんどん俺の顔がゆがみ遠くなっていく、ポツンという音が聞こえた、地面がやけに近く見える、俺をとてつもなくでかい手がつかみに来る、俺はただ見ていた、ただ傍観していた、まるでエレベーターに乗るようにその手に身を任せていた、すると突然、俺の顔が現れた、その顔はひどくゆがみその歯は木炭のように変色していた、すると突然歯が抜けだし、視界が真っ暗になった、なんだ夢か、殺風景な部屋を見て気づいた、電気をつけ、朝ごはんはいいや、食欲がない、パソコンを付け、動画をスクロールしていたら気が落ち着き始めた、もう18時かカラスの声が聞こえる、久しぶりに風呂に入るか、気持ちがいい、半年間の汚れが洗い流されていくようだ、お腹すいたなご飯でも食べるか、今日はいつもより楽しかった、そう思いながら床に就く、風が吹き抜ける音、フィルターで覆い隠されたように光を失った薄暗い快晴の青い空、西は山、北から流れる川と電車、山と川に挟まれる形で煙をまき散らす農村、空から見る景色があまりに美しくて涙が止まらなくなった、起きると頬が涙でぬれていた、殺風景な部屋を見て現実に戻ってきてしまったことを知った、朝食を食べ、パソコンと向かい合いただひたすらにスクロールボタンを押し続け、気づけば18時になり、気づけば就寝時間になり床に就く、風が吹き抜ける音、フィルターで覆い隠されたように光を失った薄暗い快晴の青い空、西は山、北から流れる東の川と電車、山と川に挟まれる形で煙をまき散らす農村、空から見る景色があまりに美しくて涙が止まらなくなっていると地面が近くなってきている、落下している、こんなきれいな世界に落ちられるなら本望と落下しながらそう思った、地面が近づくにつれ景色がゆがんでいくことに気づく、ゆがみどんどん見たことのない変な虫?らしきものに姿を変えていく、とてつもなく大きい虫?は二つに分かれ二つの溝は底が見えないような深淵、その深淵は俺を呼び込むように吸い込み、俺は深淵に入る、深淵の中で俺の耳や鼻に虫が大量に入ろうとしてくる、その虫の中にも虫が入ろうとして、その虫にも、と俺は深淵の一部になり、俺自身が虫になり、景色となった、その感覚は恐ろしく心地よく気持ち悪くもあった、殺風景な部屋、起きるたびに実感させられる、ここが現実なんだと、今日もシャッターに閉ざされた部屋で電気をつけ、扇風機と布団しかない殺風景な部屋で朝食を食べ、パソコンと向かい合いただひたすらにスクロールボタンを押し続け、気づけば18時になり、そんな風にして今日が終わりを告げる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

集合的個人 トマト @yuutotomato

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画