新しい仲間たちとの活動

「こんにちは。俺がこのヴェストシティの領主、ロバーツ・チャールスペーだ。そこで言い合いをしているあなた方に話をしたい。」

「あ、ああ。」

「お願いします。」

「その、すまんが少々下手な敬語はちょっとやめてくれないか。後奴隷の君たちをここで働くという条件で解放しているんだ、これからも頼むぞ。そこの移民の皆様方も共に頑張りましょう。」

「じゃあ元の口調で言わせてもらうぜ…

その話ってなんだ?」

話をするのを忘れてしまっていた…だが俺の頭は良い演説(諸説あり)を思いついた。これで訴えかける!

「諸君、俺はこの大辺境に造られた無謀な開拓地の領主、ロバーツ・チャールスペーだ。まず全員にこの場所に来てくれたことに感謝したい。」

「おいおい、俺はホルストの奴と一緒にいること自体嫌なんだが?」

「まあまあ落ち着いてください。」

さっきの発言をした人にハンが対応している。まあそんな人もいるだろう。だって人間だもの。

「さて、俺はこれまでのあなた方の関係を知っている。」

ホルストとハーバーグ…これまで関係が良好になったことがほぼない国家間の関係である。ホルストがハーバーグを焼き、ハーバーグがホルストをめちゃくちゃにする。まともに良好になったことがないのである。どれくらいと言うと、格言で

『ホルストとハーバーグ』意味 性質が合わなかったり、仲良くならないことのこと。

こんなふうな格言ができてしまっているくらいである。

俺には、それでもやらなければいけない使命があるのだ!

「ホルストがハーバーグを焼き、ハーバーグがホルストをめちゃくちゃにする。そんな関係だったことは知っている。」

「…」

「だが、?」

「なんだと?」

「我々はこの大辺境をひたすらに開拓し、世界に名だたる地域にしようと思っている。」

そんなことは思っていないが、まあこの大辺境を開拓して定住できたら有名にはなるだろう。多分。

「我々はこの目標を成し遂げるために全力を尽くしてこの大辺境を開拓する。それにハーバーグだとかホルストだとか関係ないのだ。我らはこの地を切り拓くために努力する同士なのだ。そんな目標があるのに、相争うことなんて無駄に決まっているだろう?」

「それは、そうですね。」

「…同意する。」

「それと…無理だったらいいのだが、お互いのリーダー同士握手をしてくれないか?」

「こちらはいいですよ。」

「我々も賛成します。」

こうして、領民同士の大きな確執は解消されたのだった。少しの対立はあるだろうが、これを乗り越えていってくれると俺は思っている。

さて、ハーバーグ出身の人とホルストの人は合計36人らしい。職業の内訳は

子供8人

大工4人

農家4人

採掘者2人

木こり2人

釣師2人

船の制作者1人

専業主婦など10人

ハンター3人

などと、意外にいろいろな面子が揃っていた。一部今の所役に立たないどころの話じゃない人がいるが、まあそれはおいおい考えていくことにしよう。

さて、ハンターが入ってくれたことはとても心強い。なぜなら彼らは…

「いたぞ!見えてるか?」

「見えてます。」

「撃つぞ…撃て!」

ビューン

「…お見事です。3人とも。」

「ありがとう。俺たちはなんたってプロだからな。」

彼らはハンターだ。狙った獲物や、来た獣は絶対に仕留め抜くすごい人たちだ。弓の命中率は…90%くらいな気がする。すごい(語彙力を失ったロバーツ・チャールスペー)

「そう言えば、お名前を聞いてませんでしたね。名前はなんですか?」

「アウルバートだ。」

「カールモンティ。」

「パイソンだ。」

「これからもよろしくお願いします。皆さん。」

「ええ、喜んで!」

ハンターの視察は終わった。そろそろカブが取れる時期だろう。農家のところを見てみることにした。

「こんにちは。仕事は今どうだ?」

「え、ええと…」

「カブはそろそろ取れそうですし、収穫もすることが多分できます。次からもカブを育てていこうと思っています。あと、季節外れですけどまだ育ちそうなので少し残っている冬キャベツの種とかですね。」

「冬小麦も順調に成長しています。結構うまくいっているので後半年もしたらウィリアムズさんの手でパンが作られるかもしれません。」

「パンか…パンね…」

現代に慣れている俺にとっては、こんなパン食えるか!となってた時期もあった。だが次第にに慣れて普通に食べれるようになった。慣れってすごいな。

「またシエリーさん、でしたっけ?はマッシュルームやキノコを見つけたらしいです。食べられるのが多いらしいです。」

さっき説明した彼はルイス。農家のまとめ役でもあった。次のところへ向かおう。

岩に座って釣りをしている…しかも大男2人でだ。

「こんにちは。」

「こんにちは。俺はライネスハルトと言います。」

「俺はリヴィと言います。よろしく」

聞いてみるに彼らは戦闘に全く向いてないらしい。軍の訓練にも参加しない方がいいと言われたほど下手らしい。

「釣師の仕事って、こんなものなんですか?」

「極論言えばそうだな。」

「まあ。」

そうらしい。次の場所に向かおう。

「こんにちは」

『こんにちはー!』

ここは子供が通う学校。8人の生徒は全員ハーバーグの人たちだ。偶然移民に先生がいたらしく、先生をしてもらっている。

「こんにちはアメルナ先生」

「初めましてロバーツさん。来てくれて嬉しいです。思う存分子供と触れ合っていってくださいね!」

「はい!」

子供と関わり続けたのだが…

不思議な生徒がいた。1人で何かをいつも考えているらしい。話しかけてみることにした。

「こんにちは。」

「こんにちは。」

「どうしたんだい?」

「ぼく、しょうらいいろいろな人をまとめたいんだ。だからそれについて考えてるの。」

「そうなんだね。仕事を教えてあげるよ。」

「ありがとう。」

不思議な生徒と触れ合い、今日の視察は終わったのだった。

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大辺境開拓記 最高の大都市をここに築く! 吉田 ヤス @spellAbraham

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