新たな移民と確執
獣の襲撃から三週間、家の建築完了から1週間。俺はとある人が来ることを待ち侘びていた。
街ではついに自分たちの仕事をし始める人が多くなっている。
街の中心にできる予定の広場をゾルフに設計してもらっているし防壁(といっても、木の柵程度のものだが)も建設してもらっている。ちなみにこの作業は職業に必要なものなどが無かったりできない人が多く作業をしている。
スヴェラとカールには農業をしてもらったりしていて、ソーラーとミルスは木こり、ジョージとチャルスペは製板作業に当たってもらっている。エレナとシエリーは採集作業、冒険者やフィレオは街の警備をしている。
さて、その待ち人に関係することを話しておこう。大辺境周辺のハーバーグやらホルストやらヴェスタニカで使われている貨幣はフレット。大体日本の価値で一フレット=100円くらいである。ちなみに他の貨幣もあるが固定相場である。ちなみにセルトやらターラーという名の貨幣価値もある。
ちなみにチャールスペーは親が金持ちだったので200万フレットという大金を所持している。なおチャールスペー自身も
「どうやってこんな大金を手に入れたんだ親父は…」
と思っている。そのため貿易などにはある程度の期間は普通に持つ。
そのため今はバルフェスを待っている。2日くらい遅れているのだが、無事であって欲しいと思っている。
「報告です!」
「なんですかハンさん。」
「バルフェスさんやディグラスさんが来ました!」
「そのほかに誰かいましたか?」
「2、30人ほどの人がついてきております!」
「最高だ!」
どうやらバルフェスは故郷の生存者全員を連れてきてくれたらしい。これで発展を加速させられるだろう。
「あー、ウィリアムズも読んできてくれないか?」
「了解です」
1時間後
「こんにちは。この様子だと…うまく行ったようですね、バルフェスさん、ディグラスさん。」
「やってやりましたよ!」
「感謝します。」
「さて、それは後に置いておいて、商談と行きましょう。」
「ええ。わかりました。」
「本日のおすすめの商品は、石材です。多く持ってきました。街の発展に必ず必要なものだと思います。それではどうぞ。」
「他の商品は?」
「当然食料、労働者こと奴隷、道具や木材などを持ってきましたとも。」
「じゃあ60人分の食料2ヶ月分、石材全部と木材を半分ほど、労働者は5人全員買って道具は…農具や武器、つるはしや建築道具などを買おう。値段はいくらだ?」
「食料がそれくらい買うなら2万フレット、道具は3万フレット、木材と石材は6万フレット、労働者1万フレットです。」
「やけに奴隷が安いな。」
「彼らは戦争奴隷なのです。そのため比較的安く買えますし、本職は多くの場合違うので、労働力を増やすには最適でしょう。」
「よし、12万フレットだ。今後もよろしく頼む。」
「我々は現在ほぼ共依存的な関係ですからね」
「どういうことですか?」
「この開拓地で売るため大金を叩いて資源などを買いまくっているんですよ。そのためこの開拓地に商品をほぼ売れなかった日には私は一瞬で借金地獄とかしてしまうんです。」
「分かった。今度からは種なども仕入れてくれないか?後戦争難民などを勧誘してくれ。」
「わかりました。」
「さて、我々にとって重要なことに入らせていただきます。あの30人は移民なのでしょうか?」
「ああ、移民だ。戦争で故郷を失い、難民のような状況だが、彼らは移民として受け入れられることを望んでいる。」
「あの、ディグラスさん、戦争奴隷ってどの国ですか?」
「あっ」
「ホルスト…ですね。」
「だからあそこで言い争いが起こっているのですか。」
「あっ」
その言い争いが行われている場所を見ると、ハーバーグの移民の多くの人の中心人物と思われる人と、ホルスト出身の戦争奴隷の中心人物が会話…というか罵倒というか言い争いしている。
「なあバルフェスさん、ディグラスさん、あの二人の名前は知っていますか?」
「戦争奴隷のリーダーはアーサー、移民のリーダー的立ち位置はミゲルですね。」
「さて、親友、この状況をどうするつもりだ?」
くそぉ、ウィリアムズ!こんな状況を楽しみやがって…!
「罵倒をされあっている皆様方、少し宜しいでしょうか?」
皮肉を多少こめた声で言う。開拓地はまだほとんどできていない。こんな状況で内ゲバをしたら先人と同じようになってしまう。
「なんでしょう…って領主様ですか」
「お見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ございません。」
「さて、そこで言い争いをしている皆さん、あなた方に話があります。少し時間がかかるかもしれませんが、お願いしますね。」
さて、この状況をどうにかしないと…
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