目覚めたら猫耳⁉ ～神隠しで別宇宙のアイドル級猫耳メイド魔法使い⁉に大変身！～

第13話 魔法とアイドル⁉ 二つの道を選ぶ覚悟！

　魔法のコントロールを高める特訓の日々を経て、リリカとステラは少しずつ自信を取り戻していた。特にリリカは、火の魔法の制御が以前よりも上達し、メルヴィルもその成長を認めるほどだった。

「リリカ、最近の火の魔法は安定してきたわね。この調子なら、次の任務でも安心して任せられるわ」

　メルヴィルの言葉にリリカは嬉しそうに頷いた。まだ完璧とは言えないものの、自分の魔法をコントロールできるようになったことは大きな自信につながっていた。リリカは、魔法使いとしての成長だけでなく、もう一つの大切なことに思いを馳せていた。

　それはアイドル活動の再開だった。リリカとステラは、アイドルとして再びファンの前に立ちたいという思いを強くしていた。メルヴィルからも許可を得て、アイドル活動を続けることができるようになったが、一つだけ条件があった。それは魔法のコントロールを完全に習得すること。コンサート中に魔法が暴走してしまえば、ファンや自分たちに危険が及ぶ。それを防ぐために、リリカは特に火の魔法を精密に扱えるようになることを目指していた。

　ある日、リリカとステラは久しぶりにステージの練習を始めることにした。リリカはステージに立つと自然と胸が高鳴り、観客との一体感を思い出す。ステラも同じようにステージに立つ喜びを感じていた。二人は笑顔でステージに立ち、久々のパフォーマンスに心躍らせた。

「ステラさん、やっぱりステージっていいね。私、みんなの前でパフォーマンスするのが本当に好きだな」

　リリカはステージ上で踊りながら、過去の成功したコンサートの思い出が蘇る。ファンの歓声や笑顔、ライトが照らすステージは、彼女にとって何よりも特別な場所だった。ステラも同じ気持ちで、ファンとの再会を夢見ていた。

「私もそうだよ、リリカ。ファンのみんなの笑顔を見ると、頑張ってきた甲斐があるって思えるよね」

　二人は踊りながら、観客の声援に包まれる感覚を思い出し、ますますアイドル活動への情熱を燃やしていた。しかし、同時に魔法使いとしての責任も感じていた。アイドルとしての活動と、魔法使いとしての使命、その両方をどうバランスを取るかが課題だった。

「リリカ、私たちには二つの道があるけど、どっちも諦めたくないよね」

「うん、ステラ。どっちも私たちにとって大切なものだし、どっちも全力でやりたい！」

　リリカは力強く頷き、ステラもその意気に応えるように微笑んだ。二人は改めてアイドル活動再開の決意を固めた。

　リリカとステラは、アイドル活動を再開するための準備を本格的に始めた。リリカは特に、魔法を発動させるタイミングやコントロールを徹底的に練習し、ステージ上での暴走を防ぐことに専念した。ステラは新しいダンスの振り付けや歌の練習に力を入れ、二人でのパフォーマンスをより魅力的にするためのアイデアを出し合った。

「ステラ、次のコンサートではもっとすごい演出を取り入れたいんだけど、どう思う？」

「いいね！例えば、リリカの火の魔法を使って、フィナーレで大きな花火みたいに炎を広げるのはどうかな？それなら、観客もきっと驚くと思うよ」

　リリカとステラは互いのアイデアを組み合わせ、新しいステージを作り上げるために精力的に取り組んだ。二人のコンビネーションはますます洗練され、彼女たちのステージはこれまで以上に華やかで感動的なものになりそうだった。

　ついに、リリカとステラのアイドル活動再開のコンサートの日がやってきた。会場にはたくさんのファンが集まり、二人の再登場を心待ちにしていた。ファンの歓声が響き渡る中、リリカとステラはステージに立ち、久しぶりのパフォーマンスを披露した。

「皆さん、お待たせしました！リリカとステラの登場です！」

　リリカの元気な声に応えるように、会場は大歓声に包まれた。ステラも手を振りながらファンに応え、その笑顔は輝いていた。二人は以前と変わらないパフォーマンスで観客を魅了し、新たな演出も加わったステージは大成功を収めた。

　リリカはステージの終盤、火の魔法を使ってフィナーレを飾る演出に挑んだ。彼女は炎を手のひらに集め、それを花火のように広げる。観客はその美しさに息を飲み、ステージ全体が炎の華やかさで彩られた。ステラも水の魔法で炎に彩りを添え、幻想的な雰囲気を演出した。

「やっぱり、ステージって最高だね！」

　コンサートが終わった後、リリカは満足そうに笑った。ステラも同じ気持ちだった。

「うん、本当にそうだね、リリカ。ファンのみんなが喜んでくれるのが一番嬉しいよ」

　リリカとステラはファンとの再会を喜び、アイドルとしての活動が自分たちにとって大きな支えであることを再確認した。魔法使いとしての使命とアイドル活動、その両方を全力で取り組む決意を新たにした二人は、これからも進化を続けていくのだと心に誓った。

　コンサートが終わり、リリカとステラは再び魔法使いとしての使命にも向き合うこととなる。次の任務に備えて、彼女たちは再び特訓を開始する。メルヴィルから告げられた次の敵は、森の魔獣よりもはるかに強力な存在だという。

「リリカ、次はもっと大変な戦いが待っているけど、私たちならきっと大丈夫だよね」

「うん、ステラ。私たちなら絶対に乗り越えられるよ。一緒に頑張ろう！」

　リリカとステラの新たな挑戦はまだ始まったばかり。魔法使いとしての使命を果たしつつ、アイドルとしても輝き続ける彼女たちの物語は、これからも続いていく。次なる戦いに向けて、リリカとステラは再び歩み出した――。