MAGICALIZM

数百年前に起こった魔法戦争。それによって、教会側、魔法側だけに限らずに死んでいった。
司祭が、修道女が、教皇が身体を千切られ。
魔法使いが、黒猫が、烏が、大魔女が燃やされ。
何も知らない人が、動物が、植物が殺された。
多数の犠牲が起こった後、最も力を持った大魔女と教皇が戦争を終わらせた。

平和になった時代まで生き残ったルーランは、今では数が少ない、魔法使いの中でも上澄みの者たち──大魔女と呼ばれる者の一人。

ルーランはある日、夢を見る。
花畑の中で”彼女”がこちらを見て微笑んでいる夢。

この夢には何か意味がある。
そう思ったルーランは、長年しまい続けていたローブと帽子を取り出して、彼女の手がかりを探す旅に出た。