身の回りの品や消費物。ごくありふれた物にだって、思い出や嗜好、その人の個性が根差している。いつもであれば見飛ばしてしまうような、その事実。でもいつの日か、意識せざるを得ない時がやって来る。その瞬間を丁寧に、そして繊細に掬い上げた本作。読んだ後は、身近な人を大切にしたくなると思います。
一シーンに、思いが乗って、染み渡る物語。夫婦、親子、普遍だけどいい話でした。
お母さんが亡くなりました。 来ないでほしいけど、いつかは来る、別れ。 遺品整理をする、父と娘。 遺品の中には思い出がいっぱい。 父と娘は、それぞれにお母さんに偲びますが…… しっとりと、ゆるやかに、しみじみと語られる遺品整理。 涙がにじんで、心打たれます。
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