津島の藤

木全伸治

第1話津島の藤

私は脳卒中で死にかけ、その後遺症で現在も左半身に軽い麻痺があります。

それは、リハビリ入院をしていて、これ以上の機能回復は生活の中でリハビリしていくしかないということだったので、病院を退院したばかりのことです。足のリハビリを兼ねて外に出かけることを心掛けるようにしていた時期で、とりあえず、杖なしで歩ける程度になっていた私は、津島の藤をひとり見に行きました。退院したばかりで、まだ左足がふらつくことも多く、まだピッと立っているだけで左ひざががくがくしたりもしました、そのときも藤棚のある津島の天王川公園に向かって歩いていたとき、躓くようなものなんてない何もない平坦なアスファルトにバタンとうつぶせに倒れてしまいました。漫画やアニメにあるような見事な大の字でした。倒れた自分にも、一瞬のことだったので、何が起きたのか分からず慌てて立ち上がり、落としたものを慌てて拾い、怪我がないか確認しながらほこりを払って何事もなかったように歩き出したのを覚えています。たぶん、リハビリである程度歩けるようになったからと油断していて、一瞬左足がもつれたんだろうなと思います。

でも、その後倒れることなく、藤棚を見て、家に帰ってきたとき、倒れたとき変なところにしまったのか家の鍵を服のどこにしまったのかわからなくなり、帰宅したとき慌てたことも覚えています。

普通に歩けなくなって、それを回復するために、たくさんのウォーキングイベントに参加さえていただいております。でも、あの津島でベたんと倒れた時は今でも鮮明に覚えています。

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津島の藤 木全伸治 @kimata6518

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