人生はクソです!!
みずのみや
プロローグ「人生が変わるタイミング」
「「あぁ...何でだっけ、いつからこうなったっけ。」」
最近、大学を卒業する間近になり、家でやることが何もなく、ベッドに横たわる時によく考える。中学生、高校生の時は休まず学校に行っており、順風満帆な学生生活を送っていたのに、大学生になって休むことが多くなった。
自分でも、その原因が理解できていた。
「「ああ、あいつと疎遠になってからだ。」」
そうポツリと何もない暗い天井に向かってため息混じりに呟く。あいつと疎遠になったタイミングで俺は変わってしまった。恋愛とか友情とかも、そこからわからなくなってしまった。
そうだ、全ては大学受験に失敗したあの日。
もし、あの時、もう一度目指すから待っててくれと言えたら。もし、あの時好きだと言えたら。もし、あいつとの人生を取り戻せるなら……こういう考えを目まぐるしく考えていると、ふと親友に言われたことを思い出す。
「今からでも遅くない地元に行き会いに行くべきだ。お前ならできる大丈夫だ」
と、無責任な言葉を吐かれたのを覚えてる。昔は、何も感じない言葉でも今では重荷だと思い、苛立ちを覚えるほど俺の精神は腐ってしまったのかもしれない。そして、涙と眠気が同時に心から溢れてきた。
…
どのくらい経っただろうか、いつのまにか眠っていたらしい。
「今は、2時22分…何と中途半端な…」
寝ぼけ眼で、目を擦り、ふとスマホの通知欄を見ると怪しげなメールが一件届いていた。
「今の人生に満足していますか???過去に戻りたいですか??あなたが満足してなければこちらをクリックしてくださいね☆」
いや怪しすぎるだろ。中学時代に流行ったチェーンメールか何かか?これは。トラップすぎない??と、自分で自分にツッコミつつも、確かに現状満足してないし、あいつにももう一度会いたい。
「まぁ、馬鹿らしいけど押してみるか。」
押してみるとポップな効果音と共に次の文章と注意事項があらわれた。
「[はい]を押したら過去に戻れます。しかし、過去が必ずしもいいことばかりとは限りません。今生きている人が死ぬ可能性もあります。自分がさらなる不幸にあう可能性もあります。それでもはいを押しますか??」
「はっ…何が不幸だ…ここまで不幸だったんだ。その日々を取り戻せるくらいなら安いものだ。」
俺はそう何も考えずにはいを押した。
…
「まぁ何も起きるわけないよなこんなもの。」
そう言いスマホを投げ捨て、また二度寝をした。
…その日懐かしい夢をみた。そう。あいつの声を、好きな人の声を久々に思い出したのだ。
人生はクソです!! みずのみや @mizunomiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人生はクソです!!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます