キリヤ戦記

@kojima0915

第0話 プロローグ

この物語はある男の戦記である。

その男はいろいろな場所を旅し、ありとあらゆる戦争を引き起こし、世界を滅ぼした。

200年間も世界を沈黙させ、静かに眠りについた。

これは、その者の生きた記録を記すものである。


赤子を抱き、邸宅から逃げる二人の初老がいた。その見てくれから40〜50歳程度だと分かる。

後ろからその夫婦は追われていた。2人ほどだろうか。

片方は銃、もう片方は槍を持っている。

「あそこだ!裏切り者を逃がすな!」

刺客が叫ぶ。

逃げる男が足止めで残り、数秒で見るも無惨な屍となった。

母と見られる女は銃で肩を撃たれた。

そして赤子をある倉庫に隠した。

そして女は死んだ。

死ぬ間際に何か言った。

「キリヤ、あなたは帝国を復興させるの!何としてでも!お母さん達があなたを守ったように、あなたも帝国の人間を守るの!

あなたは、あたしの自慢の子。必ず、使命を成し遂げてね。」

そう言い残し、女は撃たれた。

この光景を、赤子は忘れることはなかった。

二十数年後、草留キリヤとして名を挙げるのは、まだ先のことである。

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