あらすじ
強盗、窃盗、殺人が多発する危険な街。
人は皆、陽の当たらないこの場所を『片陰の街』と呼んでいた。
隼人はこの街で生まれ、権力者の養父、神谷武蔵に育てられる。
ある日、隼人の前に突如現れた記憶を無くした女性に『ヒカル』と名付け彼女を
風俗店に売るが罪悪感を覚え、彼女を連れ戻してしまった。
街の掟を破り暴行を受けた隼人のもとにかけつける仲間のレイとコトの前でヒカルの身に突如起こった異変に記憶喪失と何か関係があるのではないかと疑問を抱く隼人。
同じ頃、彼の養父、武蔵のもとにKという人物から命令を受けた村上という男が人探しの依頼にやって来た。
彼等が探す人物こそ記憶喪失のヒカル。彼女は金と名誉と地位を持つ者だけが
住む街『ドリーム・タウン』の住人、遠山財閥会長、遠山三郎の娘、遠山鈴香だった。
鈴香を隠す隼人達であったが、Kと村山は彼女の所在をつきとめ、人質としてコトが勤める店に大金を渡しコトをドリーム・タウンに連れ去った。
コトを連れ去ったKの正体は鈴香の婚約者、鬼神貿易社長、鬼神透。
彼は隼人にコトを返してほしければ鈴香をドリーム・タウンに連れて来るように伝えた。
隼人は、鈴香を連れレイと一緒にドリーム・タウンに向かうがその道中、鈴香から自分の記憶が抜け落ちてるようだと聞かされるが、コトの無事を
確認した隼人とレイは鈴香に別れを告げ片陰の街に戻って行った。
ドリーム・タウンから戻ったコト、彼女も鈴香と同様、記憶が抜け落ちていると隼人に話をする。
鬼神はコトにヒカルの正体を明かし記憶喪失の理由を話すとその原因となった『記憶を消し操作できる薬』をコトにも投与していたのだった。
鈴香とコトの類似する症状に疑念を抱いた隼人たち、レイは鬼神のことを調べると言いドリーム・タウンに向かうが連絡が途絶え、村山からの電話とともに、ボロボロになったレイが隼人の部屋の外に横たわっていた。
レイに寄り添う隼人にコトが、ドリーム・タウンでの鬼神とのやり取りを思い出し、鈴香は鬼神の裏の顔を知って薬を打たれたと告げた。
レイもあの街に秘密裏に危ない取引をしている
組織が存在し、『画期的な薬』を
闇ルートで取引しようとしており、その親玉が鬼神透で彼は遠山財閥を
鈴香の身の危険を感じた隼人はドリーム・タウンに向かった。
半年の月日が流れ、その間も鈴香は治療と称し
記憶を消す薬を投与され続けていた。
そんなある日、ショコラ会社の社長として隼人が鈴香の前に現れた。
彼に以前何処かで会ったことがあるのでは?と尋ねる鈴香。
一方、隼人がドリーム・タウンに現れたことを知り焦り始める鬼神。
鈴香の父、遠山三郎はドリーム・タウンに彗星の如く現れた隼人を呼び寄せるが、偶然にもこの日、鈴香の記憶が戻りはじめる。
面会という形で鬼神と村山との再会を果たした
隼人は鈴香を救出しようとタワーの中に潜入し、
彼女が居る高層階に辿り着くが鈴香は鬼神によって記憶を消されていた。
隼人を客人としてタワー内を案内する鈴香、二人は『記憶を操作する薬』の精製場所と人体実験において記憶を消された者たちがいるラボの存在を知ってしまう。
事実を知った二人の前に鬼神が現れるが、またしても鈴香に異変が。
苦しそうに隼人の名前を呟く鈴香、彼女の記憶が戻ったことを認識した隼人だったが鬼神に捕まってしまう。
その様子を盗聴していたレイは彼の養父、武蔵に助けを求めた。
報告を受けた武蔵はレイを連れてコトが勤める店に出向くと、そこには顔なじみの人々が勢ぞろいしていた。
武蔵はテロ制圧部隊の隊長、そして目の前にいる面々は片陰の街を拠点に潜伏し、巨悪な組織相手に日々活動をする『武蔵部隊の精鋭たち』だった。
武蔵の命令でドリーム・タウンに乗り込む部隊。
一方、鬼神に捕まった隼人を彼の元恋人、美雪が助け、村山は敵ではないと告げる。
戦闘が始まり鬼神は逃げ遅れた鈴香を拉致すると、遠山と隼人の始末を村山に命じるが、彼は鬼神に銃口を向けた。
村山と美雪が武蔵部隊の潜入捜査員と判明すると、戦いは益々激化し総力戦となっていく。
鈴香を拉致した鬼神はヘリで逃亡を図ろうとするが、彼を振り切った鈴香が隼人のもとに駆けだすと鬼神は
敵が次々に制圧される中、鈴香が撃たれた隼人に駆け寄ると、胸元に忍ばせた
サバイバルナイフに鬼神が放った銃弾が見事に突き刺さっていた。
隼人は以前、村山から渡されたナイフに命を救われていたのだった。
平穏を取り戻した遠山財閥とドリーム・タウン。
片陰の街の裏路地を走り隼人の胸に飛び込む鈴香の姿。
彼女は『ヒカル』として片陰の街で隼人とともに生きて行くことを選び彼のもとに戻って来たのだった。
抱き合う二人、そして今夜も片陰の街では新しい物語が始まるのだった。
片陰の街 由南りさ @yaku7227
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ヒヨコは何処に行った?/由南りさ
★3 エッセイ・ノンフィクション 完結済 10話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます