第67話

事態が大きく動いたのは、私が監禁されてから2週間が経過した夜中のことだった。




私は日々の惰眠と運動不足が祟って眠れずにいた。



リビングのソファーに横になり、小説を読みふける。



これを読むまで寝るつもりは無いと、神谷に豪語すると「じゃあ先に寝るよ」と肩を落として背を向けた。



さっき覗いたら、ぐっすり眠っていた。私が隣に寝られるように隅っこで。




深夜2時を回った。




奇妙な音が聞こえはじめたのはそのくらいの時間で、ゴトゴトっと不規則に何かがぶつかる音がした。




隣か?




私は本を閉じ、耳を済ませる。





────子供の泣き声と金切り声。




それと、微かなSOS。





異常であることは、見るまでもなく、ここまで届いていた。

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2025年1月9日 20:00
2025年1月10日 20:00
2025年1月11日 20:00

囚われの detective 一寿 三彩 @ichijyu

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