第66話

そこから1週間ほどは、ほとんど浮き沈みもなく、平坦なものだった。




神谷が帰ってくるまでは本読んだり、三毛猫と遊んだり、たまに美沙と太陽のところに遊びに行ったりした。




美沙は二日に一度くらいの間隔で痣が増えているようだったが、陽太への被害はないらしい。




美沙は陽太のことになると、途端に心配性になるのだが、自分のことには無頓着すぎるほどで、

治るより早くにつけられた傷はそのままにされている。




見かねた私は、隣へお邪魔する時は必ず部屋にある救急箱を持参していくことにしていた。





神谷は案外きっちりしていて、絆創膏や包帯、風邪薬や精神安定剤などバライティに富んだ救急箱を持ってる。




まさか隣人の手当に使っているとはゆめゆめ思ってはいないだろうが、バレた時にはどう言い訳しようか考えているところだ。

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