第17話


「なに、これ…」


「月花?」


輝夜さんも不思議に思ったのか、月花さんのパソコンを覗き込む。


そこには1枚の写真と一文が添えられていた。


『我は其方等の味方なり。1ヶ月のパーティーにて接触する』


そう、書かれていた。そしてその文の最後に添えられた写真には、凛寧が写っていた。



「凛寧…!」


目立ったところに傷はない。


ただ、首輪は前回見た写真同様、嵌められている。



「味方…か、」


「完全に信用はできないけど、あちら側の裏切り者がいるってことよね。きっと凛寧の安全を確保してくれている…」


「そうだな。当日はそいつと接触しつつ、凛寧救出に当たろう」


「でも大丈夫ですかね?裏切り者ってことは、こっちを油断させてこっち側も裏切る可能性も…」



疑心暗鬼になっている中、輝夜さんは意味深な笑みを浮かべる。



「ふっ、裏切れるものなら裏切ってみろ。報復は受けさせる」


「…はは、」



敵に回したくない、と今日改めて思ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

月下美人Ⅱ ぴぇり。 @pieri_0

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ