第6話 大団円

 死体発見をしたことで、

「あれは、政治家の参謀ではないか?」

 というのが分かった時、

「俺がまさか死体を発見することになるなんて」

 ということであった、

「政治家の参謀だ」

 ということを第一発見者は知っているのだが、第一発見者は、

「その人が、政治家の参謀だ」

 ということを

「ほとんどの人は知らない」

 ということを分かっていた。

 その時、第一発見者の男は、

「別の方向から、俺のことを見ている人がいて、その男の思惑が働くことで、自分が第一発見者に仕立て上げられた」

 と思うのだった。

 その、

「もう一人の存在」

 というものが、

「自分と、被害者の間の関係」

 というものの間に、存在しているものなのか、

 それとも、

「別の人間の存在が、どの位置にいるか?」

 ということの存在において、

「ここでも、三角形というものを形成しているのではないか?」

 と考えられるのであった。

 この三角形の関係というのは、

「臆病な存在」

 を自分の中に感じると、

「自分が何に怯えているのかということを考えると、

「三すくみと、三つ巴の関係」

 というものを、

「それぞれに考えてしまう自分がいる」

 ということを考えるのであった。

 そして、この町において、この男が殺されるということは、

「自分と、参謀と、政治家の間で、何らかの、三角形の関係が存在しているのかも知れない」

 と感じるのであった。

「何かというと、どこかに存在している関係」

 それが、すべて、

「三角形ではないか?」

 と思うようになると、

「今度何かを考える時、三角形以外の何物も考えられないのではないか?」

 と考えるのであった。

「参謀が殺されたことで、何かの一角が壊れた」

 それが、バブルの崩壊に近い、何かを予感させるものなのかも知れない。


                 (  完  )

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

三角形の関係 森本 晃次 @kakku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ