ep.3 決着

瞭は確実に勝利を収めるため、ハルトに近づく。しかし、その時、ハルトの口元に薄い笑みが浮かんだ。


「まだだ…!」


突然、ハルトの体が膨れ上がり、全身が黒いオーラに包まれた。彼のスキルが発動したのだ。


「『バーサーカー』…!」


瞭はすぐにその異常な状況を察し、後退する。ハルトのスキルは肉体を強化し、痛みを感じなくする能力。負傷した膝など無視して、再び立ち上がり、暴力的な力を振りかざしてくる。


「このスキル、どうやって突破する…?」


瞭は次の行動を考えつつ、冷静に周囲を見渡した。ハルトが再び斧を振り上げた瞬間、瞭は一つの決断を下す。


「緊急回避はまだリキャスト中…だが、これなら!」


瞭は周囲の建物に目を向け、手近にあった瓦礫の山へと駆け込んだ。ハルトがその後を追ってくるが、瞭はその瞬間、瓦礫の隙間から飛び出し、ハルトの背後に回り込んだ。


「ここで決める…!」


瞭は、瓦礫の上に積み上げられたコンクリート片を見つけ、それを一気にハルトに向かって蹴り落とした。巨大な塊がハルトの頭上に落下し、彼を地面に押し潰す。


「ぐあっ…!」


ハルトはついに動きを止めた。スキル「バーサーカー」が解除され、彼の意識が薄れていく。瞭はその場に立ち尽くし、しばらくその様子を見届けた。


「油断するな…これはただの序章だ。」


瞭は自分に言い聞かせ、戦場の厳しさを再確認する。生き残るためには冷静さと判断力が必要だ。そして、仲間がいなければ、この先の戦いはさらに厳しいものになるだろう。


「俺には…この世界を変えるために、どうしても勝たなければならない理由がある。」


そう呟き、瞭は静かに次の目標へと歩みを進めた。



廃墟の中で、静かな足音が近づいてくる。次の瞬間、女性の声が瞭の背後から聞こえた。


「随分と手際がいいのね。」


瞭は振り返り、そこに立っていたのは長い髪をなびかせた女性、彼女は落ち着いた表情で、瞭に微笑む。


「参加者よ。これからは少し、協力しない?」


彼女の言葉に瞭は一瞬驚いたが、その冷静な目つきには確かな信頼が感じられた。


「協力、か…」



「そうよ。Edenでは一人で生き抜くのは難しいわ。特に、これからの試練を考えればね。」


瞭はしばらくの沈黙の後、頷いた。


「いいだろう。ただし、お互いに信用を裏切らないことだ。名前は?」


「彩香…櫻井彩香。あなたわ?」


「俺は最上瞭だ」



「そうよ。Edenでは一人で生き抜くのは難しいわ。特に、これからの試練を考えればね。」


瞭はしばらくの沈黙の後、頷いた。


「いいだろう。ただし、お互いに信用を裏切らないことだ。名前は?」


「彩香…櫻井彩香。あなたわ?」


「俺は最上瞭だ」

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Life of Game【これはゲームであり、ゲームではない】 @kasumi_1014

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