第2話 文学フリマ福岡の高き山
今回の文学フリマ福岡。
とりあえず一言述べさせて下さい。
「福岡の大地は私の前に大きな山となり立ちはだかりました」
この言葉で察すると思いますが、結果は……その前に皆様は前回私が提示した勝敗ラインは覚えていますか?
完売→大勝利
10冊以上→勝利
6〜9冊→安定の敗退
3〜5冊→惨敗
0〜2冊→大惨敗
そうです。
二桁を勝利の境目とさせて頂きました。今思うと、二桁でも甘い推察であったと感じています。
販売数は5冊。
つまり惨敗でした。しかし、私にとっては限りなく大惨敗に近い惨敗です。
二兎を追う者は一兎だけを得る。
つまり、交流や会場の雰囲気は申し分ありませんでした。新しい出会いもありました。けれども、そう言った楽しさの代わりに販売数が伸びないと言う代価を支払う事になりました。
そして思い返すと、先週半ばから流れが悪かったです。(完全実話です)
①仕事中に足を滑らせ転倒は持ちこたえるも、勢いで腰を捻ってしまい謎の内出血をした。
②近くの自販機でコーラを買ったが開けた途端、誰かシャカシャカ振ったんじゃね? と疑念が湧き上がるほど炭酸が溢れてしまい、手がベトベトになってしまった。
③バイクのオイル交換をした際に、タイヤがヤバいと言われ確認すると、ヒビがはいっていた。
④ゲン担ぎの為、近くの神社にお参りに行くも、工事中で入れず。
⑤朝プチ寝坊。羽田の搭乗手続き終了一分後に到着。なぜ遅れたかを係の方に問われ(一応聞くルールだそうです)「昨日悶々として眠れなかった」といかがわしさを疑われる様な返答をしてしまい「あなた昨日何してたの?」みたいな絶句をされ、咄嗟にタクシーが遅れたと大嘘をついてしまった。
人間にはバイオリズムというものが(女性で言えば月経など)存在する様に、様々な周期があると思います。その「流れ」と言うものは私は普段から重視をして生活をしています。
上記の⑤の出来事も、色々な見方があると思いますが結局は間に合ったと言う事で、私は流れが変わったとポジティブに捉えていました。
私自身の作品に力と魅力がない事は前提として置いた上で、関東から一番離れた文学フリマ福岡のアウェーの壁は、私の流れの変化をも跳ね返し、厳しい洗礼を浴びせました。
別に一人一人チェックした訳ではありませんが、実力派の中でも上位に存在しそうな作家さん達が多いと言う何かを感じ、お客様も丁寧に一つ一つのブースを確認しているコアと思われる読み手の方が多かったです。
そんな中での5冊と言う惨敗。
これはまさに数字以上な大惨敗と言えるでしょう。
応援して頂いた皆様、大変申し訳ありませんでした。
ここからは会場内の様子を少し書かせて下さい。
まず私が真っ先に感じた他の文学フリマとは違う点は男性が多かったと言う事。男性が来場する場合はだいたいが女性とのペア、つまり文学好きな女性の連れであると言う印象がありましたが、福岡に関しては一人で周っている男性の方が多く、何人か話をさせて頂きましたが熱心な活字好きであったと言う事です。
そして時間帯によっては男性7、女性3と言うように逆転していました。全体を通しても、来場者の男女比率は半々だったと思います。私は色々参加している為、どの会場でも女性世界の中にいると言う感覚がありましたが、福岡は全くそんな事はない――どことなく変な安心感がありました。
そして2つ目は10代〜20代前半の若い方の存在も目立ちました。中高生も制服姿で友達と来場している――これは東京ではまずあり得ない事です。
公式発表では昨年の約1000人から約1500人に増えたそうですが、要因として選挙の影響もあったと思います。選挙に行ってから来たと言う会話を周囲から聞きました。
もちろん発展を続け、各会場で来場者が増え続けている文学フリマではありますが、福岡は爆発的に伸びると言うよりはその存在をジワジワと固めている感じがしました。
会場内は、混雑しすぎずそれでいて少ない印象もないという、適度な感じで私が参加した中では買い物をしやすいと言う意味で、一番理想的な会場だと思います。
ジャンル毎でも各地同様、短歌俳句のブース周辺は常に賑わっていて、弱いと言われてるファンタジーの並びも好調だった様です。
とにかく福岡は全てにおいて良い意味で平均的、とても過ごしやすかったです。開始前の行列も100人くらいでした。
もし、初めて文学フリマに参加する方がこれからいらっしゃいましたら、私は間違いなく福岡をおすすめします。老若男女問わず、純粋に小説好きが集まる、そしてゆっくりお話ししながら買い物出来る――そう言う視点から見たら福岡は最高だと思います。
あと特徴的だったのが、開催中のアナウンスが一切なかった事です。私が参加したどこの会場でも途中経過(来場者が◯◯人を超えました!→会場内が拍手で盛り上がる)アナウンスがありますが、それが一切なく(何度か席を外したのでその間にあったかもしれませんが)イージーリスニングの楽曲が丁度よいボリュームで流れており優雅な雰囲気を作り出していました。
また、他の会場で見られるド派手な展開をしているブースはほぼなく、広島の様なシンプルな展開をしているサークルさんが多いのも福岡の特徴であると思いました。
人口比からしてもまだまだ伸びしろがある福岡はこれからもゆっくりと発展していくのかな? と言うのが総括です。
そして、体調が万全でない中、わざわざ私に会いに来て頂いた方もいらっしゃいました。
帰りのバスで私の重そうなキャリーバックを見て席を譲る声をかけて頂いた女性もいらっしゃいました。
大惨敗に近い惨敗でしたが、新たな出会いと出来事は本当に福岡に来て良かったと思いました。
私は次回の広島を最後にしばらくは執筆や即売会に参加せず、企画・主催側に活動をシフトしていくつもりでした。けれども今回の惨敗でリベンジをすると言う、来年も出店しなければならない大義名分が生まれた心境です。
最近スランプで書けない状態が続いていましたが、何か見えて来た気がする福岡の文学フリマに感謝したいと思っています。
珍しく真面目に締めたな! と思われるかもしれませんが、開催中はきっちり公約を破り「69」「調教」などの下ネタ発言で不快にさせてしまった事例もあり、それはまた別の機会で書かせて頂きます!
ありがとうございました!
全く未知数の文学フリマ福岡に乗り込みます。 @pusuga
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