ジャンク&ギルティ!我が偏愛の汁なしカップ麺

尻鳥雅晶

∬∬∬

 好きなんです、汁なしカップ麺が。

 これはただそれだけを語るエッセイなのです。


 このテキストを書いている現在、還暦を過ぎまして少しは食欲が落ちるかもと淡い期待を持っていた身長164㎝体重93㎏の私ですが……


 いやあ、いやいや、いやしさには磨きがかかっておりますね~ 中でも汁なしカップ麺には、捨てがたき執着を持つ前前期高齢者でありますよ!

 今回は特別に、おデブの私がいかに嬉々として汁なしカップ麺を食らっているのか、奥さんに謝りながら語りたく思います。


 そんなジャンクフードのこと、わざわざエッセイに書くなんて、いいトシこいて恥ずかしくないの?


 そう思われるかたもいらっしゃるとは思いますが……


 えっ、年寄りがエッセイに恥を書かないで何書くの?

 自慢書くの?


 まあ、そんなことはどうでもよろしい。まずは皆さまに問いかけたい。「汁なしカップ麺」と言われて、どんなイメージを思い浮かべますか?


 カップ焼きそば?

 そうそう、それが定番ですね。

 焼きそばと言いながら正確には「焼きそば風の味付け」であり、焼いても炒めてもないやつだけど……


 なに、数万種類以上の商品を売っていても「百貨店」とか、1万年使った人なんか居なくても「万年筆」とか、あからさまなパクリなのに「リスペクト」とか、リーズナブルな奴隷が欲しいだけなのに「人手不足」とか……


 とかとか言うじゃありませんか。そこらへんは単なる言葉遊びとして大目に見てやるのが大人というものです!


 私は「焼きそば」以外にも「油そば」とか「汁なし担々麺」とかの商品名の「汁なしカップ麺」も大好きです。


【初級編】


 まずはフツーに作る場合。

 お湯を入れてから待つ時間なんですけど、


 指定時間マイナス1分プラス蒸し1分


 を、私はデフォルトとしています。気分で増減することもあります。

 具体的に申しますと、パッケージに書いてあるメーカーの指定時間が3分だとすると、2分待ってから「戻し湯」を空け、フタを戻して1分放置する、という方法です。要するに、蒸すことで麺が余分な水分を吸い、ちょうどいい(あくまで私にとって、ですよ!)固さとコシになる、というものなんです。


 私はこの方法を「―1.0マイナス・ワンメソッド」と呼称しております!


 でも、若いころは。


 40秒ぐらいでお湯を切っていました。あなた早すぎなのよ、と言われることもありました。ひたすらカタさばかり追い求めていました。それがMENメンらしさだと思っていました……(遠い目)


 でも、そうではない、そうではないんだ。


 もっとイロイロな楽しみを追求してもいいんだ、フニャメンにはフニャメンの良さがあるんだ、と、老いた私は悟ったのです。


 愚考するに(ホントに愚かだーっ!)コダワリのポイントは、容器に残る水分なのだと思います。炒めた麺なら(ドヘタな料理人でもない限り)、あまりベシャベシャしないもんね。


 私がとあるグルメっぽいコミックで見かけた場面ですが、語り手が「お湯を切った後、2~3回ほど麺をハシで高く持ち上げる」とか、「ソースが粉状であるタイプを評価したい」とか、のたまうシーンが記憶にあります。これらの行為には、どちらも余分な水分を無くす目的があるワケです。


 こうして出来上がった麺に付属のソース類をかけ、良くかき回して後は食べるだけ……いや! ここで私は提起したい。とても重要な、とある問題のことを!


【戻し湯をどこに捨てるの問題】


 そんなのキッチンのシンクや水洗トイレにそのまま流せばいい、とおっしゃるかも知れません。しかし、ただのお湯ならまだしも、その液体は澱粉と油分が混ざる厄介なゴミの一種です。地球環境のことを考えるなら、最終的に海へと繋がる排水経路に捨てていいものではありません。アウトドアでも一考が必要です。排水溝や海川に捨てるなら屋内と同じ問題が発生するし、土壌汚染もしてはいけません。

 たぶんベターな解決法とは、古新聞や布切れなどに沁み込ませるか、残り汁を固める薬剤※を使い、可燃ゴミにしてから条例に従って処理することぐらいでしょう。


※マナーと環境と食品に対して意識の高いかたなら、そういう商品があることは当然ご存じですよね?


 じゃあ、当の私本人がどうやってこの問題を解決してるかと言うと……適当なとこに捨ててます! 地球ざまぁ、じゃなかった、地球ごめんなさい!


 ただね……


 そういう罪悪感もまたカップ麺の魅力のひとつだ、と私は思うのです。


 ジャンク&ギルティ!


 だから悪意マシマシなかたからのお気持ち頂いても、逆にもっと美味しくなるからウェルカム(ドMかよ)。でも自分の家に限っては、私は汁なしカップ麺の戻し湯をただ捨てることはしてないんです。


【戻し湯の再利用】


 東洋水産(株)が、基本的に北海道でのみ販売している「マルちゃん やきそば弁当」という汁なしカップ麺があります。この商品が「カップ麺」なのに「弁当」と名付けられている理由は、パッケージの外観が昔の弁当箱に似ていること、そして中華スープの素が付属していることからだそうです。


 汁なし麺には文字通り汁が無いので、スープが付いてくるというのは献立バランス的に嬉しいサービスです。それでこの付属スープの素、麺の戻し湯で溶くことをメーカーが推奨しているんですね。スープ用の余分なお湯を用意する手間が省けるし、そのほうがより美味しくなる、だそうです。


 この商品を実食した私個人の感想になりますが、確かにただのお湯でスープを溶くよりも、戻し湯を使うほうが美味しく感じられるのです。汁無し麺とスープのマリアージュ……これはもう「弁当」と言うより「定食」と言っていいでしょう。


 ティキーンッ!!

 (インスピレーションの脳内効果音)


 だったら……スープが付いてない他の汁なしカップ麺でも、インスタント汁物を別途用意すればグッドなんじゃね!


 もちろん、どんな汁物でもいいわけではありません。汁なし麺に合わなければ本末転倒です。そこで試行錯誤を重ねた結果、最終的に私が選択したのは「わかめスープ」または「オニオンコンソメスープ」または「お吸い物」でした。もちろんすべてインスタントです。


 これはホントに好みの問題ですね~


 なお、指定の注ぎ入れるお湯の量がスープ一杯ぶんよりも多い場合は、入れる段階から意識してお湯の量を減らします。―1.0マイナス・ワンメソッドはお湯がちょっと少なくても問題無しなので、慣れればちょうどピッタリの量のお湯が目分量で判ります。


 ハズレスキルが生えました!


 これでやっと食べられる……いや、ここで貴方をご招待しましょう。戻し湯スープと同じくインドア限定ですが、さらなる深き世界へと!


【深淵なるトッピングの世界】


 深淵……そう、お前がトッピングを掛けるとき、トッピングもまたお前を掛けているのだ。ときどき自分でも何を言っているのか判らない。


 マヨネーズ。

 追加ソース。

 黒ゴマ白ゴマ青のり紅生姜。

 ラッキョウ漬け、福神漬。

 めんつゆ、化学調味料。

 エスニック(欧米含む)orローカルな、

  ハーブ、スバイス、市販調味料。

 海苔、味付け海苔。海苔の佃煮。

 各種形態のニンニク、おろし生姜。

 市販品のラー油。

 オリーブオイル、色々オイル、バター。

 粉チーズ、シュレッドチーズ。

 レンチンもやし、千切り生野菜。

 ネギ、ミョウガ等の香味野菜。

 チャツネ、キムチ。

 ジャム、ピーナッツバター。

 ナッツ類を砕いて。

 ドライなスナック菓子を砕いて。

 天カス、フライドオニオン。

 魚粉、干しエビ。

 干しブドウ等のドライフルーツ。

 生卵、温玉、刻み茹で卵、目玉焼き。

 夕べのカレー等、おかず残り物。


 などなどは定番なので(定番ですよ?)省きます。ここでは、尻鳥が特にお勧めしたいものを紹介したいと思います。


 《白ごはん》


 追いめし、っていうメニューを聞いたことのあるかたも多いでしょう。まぜそば専門店などで出す、麺を食べ終わった後にドンブリに投入してもらうための少量のご飯のことです。


 私の場合はですね、食べるの麺を容器の片側に寄せて、反対側にホカホカ半ライスをドバッと入れちゃう。その中央部にレンチン温玉を落とすのもヨシ。さらに適当な調味料をひとたらし。これはもうワンプレートランチの「風格」です。「品格」ではないけどね!


 食べるときはグチャグチャに良く混ぜるのかって?

 いや、それはちょっと引くわー(引くのかよ)。


 白ごはんの代わりに、手作りもしくはコンビニのおにぎりでもOK。ごはん部分が混ぜごはんではなく白めしならばなお結構。おにぎりの場合はアウトドアでもイケますね。


 《パン》


 やきそばパンが実在する現実世界ですもの。この程度はまったくフツーだと言えるかも知れません。


 食パン。

 フランスパン。

 ヘルシーな五穀パン。えっ、ヘルシー?

 王道のコッペバン。

 3Pプレイとも言うべき総菜パン。

 「げひひひひっお嬢様その高貴な白い肌を下品な汁で汚してやるぜえ」と言いながら食す高級食パン。


 まったくフツーですフツー。


 で、パンの中でも尻鳥のおすすめは、食パンにひと手間加えた1品。まず薄めの1枚を半分に切ります。アナログ時計の4時55分ぐらいの針の角度で台形になるよう斜め半分に切ると、お客様にも出せるオシャレな感じになりますよ。


 これをそれぞれ片面だけトースト。汁なし麺を挟むと(つまり最初に感じるのは温まれてフカフカなパンの面です)、パクつくときの複雑な食感がたまらんのです。


 《砕きチキンラーメン》


 とあるリアル混ぜそば専門店で見かけて、これは良いとマネしたものです。『チキンラーメン』は日清食品ホールディングスの登録商標ですが、似たような商品はスーパーの駄菓子売り場や、食品を置く100円ショップにいくらでもありますね~


 称えよ百福、我らが父を!


 チキンラーメンは丹念に砕くこと。このアイテムには味も塩分もついているので、入れすぎないことがコツです。なお、尻鳥はあまり試してはいませんが、えびせん、ポテトチップなんかのスナック類も同じように投入できると思います。


 《自家製ラー油》


 割りと簡単に作れて美味しい自家製調味料です。尻鳥は一時ずいぶんハマりました。作り方は、お好みのドライな具を細かく切り・砕き、耐熱容器に入れて、そこに熱した油をかけるだけ。ものすごい泡が出るけどビビらないでね。冷めたら適当なビンに詰めればできあがり。詳細はレシピサイトをググってください。


 ヤケドや火事に気を付けて!

 いやマジで危険だからね?

 ご利用は計画的に。


※この「計画的に」という単語は、貸金業の会社が使っていることからお判りのように「それで破滅しても自己責任だかんね」という意味を含んでいます。実に便利な言葉ですね!


 この自家製ラー油、乾燥した具と唐辛子粉とゴマ油が基本の材料なんですけど、具はドライなものであれば何でもいいし、油も何でもいい。加熱で風味が落ちる場合もあるけれど、店で出すわけじゃありませぬ。


 組み合わせは無限。中華風のみならず、和風・欧米風・インド風・中東風・南米風などのスパイス・ハーブ・乾物の具に、油も米油・オリーブオイル・ギー・エゴマ油・ココナッツオイルなどなど……


 辛くなくてもイケるし、ご飯のお供にもなる。ぜひ、貴方オリジナルのラー油にトライしてみてください。


 《わさびマヨネーズ》


 あまり珍しくはありませんが、私にとっては『わさびマヨネーズ』は特別な意味を持っています。汁なし麺の中には……ごく少数ですが……まあ、その……優しいグルメレポーターでも「好きな人にはたまらんやろね」と苦しい表現をせざるを得ない代物があります。


 あくまでも私の好みでは、ですよ!

 その味が大好きなかたもいるだろうし、商品開発スタッフの味覚が前衛的すぎただけの場合もあるかと思います。


 そんな味に出くわしてしまったとき役に立つトッピングがコレ。作り方は簡単。マヨネーズに、チューブ入りわさびをごく少量まぜるだけです。容器に両者とも直接インでもOK。ただし作り置きはできないと思います。


 《スーパーの値引きお惣菜》


 これはスーパーによりけりなので、ざっくりとした解説になりますが、揚げ物やサラダなどが合うようです。煮物や酢の物など汁が多いおかずは個人的にはマニアックすぎると思います。


 揚げ物は唐揚げやコロッケなどのようにシンプルなものが合うようです。余談になりますが、尻鳥は職場で「唐揚げの嫌いなデブはいませんっ!」と放言したところ大ウケでした。


 サラダはマヨネーズで和えたものが良く合うと感じています。ポテトサラダ、マカロニサラダ、タマゴサラダなどですね。


 また、スーパーの値引き花形と言えば「お弁当」です。ご飯とおかずを分割し、前編・後編と2回に分けてトッピングするのも良いでしょう。



 いかがでしょうか。


 ジャンクなトッピングと言えども、そこには無限の罪深き世界が広がっていることをご理解いただけたでしょうか。ジャンク&ギルティ!


 ただ。


 私がトッピングを語るとき、「私だけの理不尽なこだわり」が浮き彫りになることに、賢明なる皆さんは気付いておられるでしょうか?


 それは……


【汁なしカップ麺の世界観というコダワリ】


 カクヨムの皆様に限ってそんなかたはおられないとは思いますが、このテキストのような主張に対して、以下のような発言をされるかたが実在します。


「カップ麺はそのまま食べるのが一番美味い。手を加えるのは邪道にして愚行」


 それって貴方の感想ですよね?


 それぞれのメーカーサイトをご覧いただければすぐお判りかと存じますが、いまやカップ麺を自由に改造して食べることは、メーカーすら認めた正当なる行為なのです。そこには、各社がその知恵を結集させて生まれたアレンジが発表されています。


 したがって、前述の原理主義者的な発言は完全にヘイトスピーチである、と断言できるでしょう。


 ただねえ……


 始末の悪いことに、度し難いことに、尻鳥の心の中にも、くだんの原理主義者モドキが実在しているんですよねえ…… えっ、さんざん好き勝手書いてるのに? 


 そうなんですよ。


 尻鳥には、個人的に、きわめて個人的に、許せないタイプのアレンジが存在するのです。それは私が想うところの汁なしカップ麺の世界観を壊すアレンジです。


 「汁なしカップ麺の世界観」とは、「汁なしカップ麺とは、本来の容器にお湯を入れて麺を戻し、戻し湯を空け、添えられたタレ等を使うモノ」という私独自の定義によるものです。妥当だとは思いますが。


 だから尻鳥は、汁なしカップ麺の戻した麺を炒めたり焼いたり、ピザやお好み焼きの土台にしたり、タレやスープを全取り換えする、というタイプのアレンジを、受け入れることができないんです。その理由は単純です。


 だってそれって……

 他の素材で上位互換できてしまうじゃないですか!


 手間ひまかけて本格的な調理をするなら、比較的に高価でもなく入手しやすい専用の素材があるじゃないですか。フツーそのほうがトータルとして簡単で美味じゃないですか。かのクジライ先輩が(要ググ)考案した「袋麺を汁なし麺にするレシピ」のように、そのもともとの素材が調理を前提としているのならともかく。


 尻鳥は、それはもう遊びじゃない、わざわざカップ麺を素材にする意味が判らない……そう感じてしまうのです。だからこそ、「アレンジ」と「トッピング」というガイネンを明確に使い分けてもいるのです。


 ああ、もちろん。

 それって感想ですよね?


 さて、尻鳥の偏愛たるテキストも、いよいよ大詰め。カクヨムで「世界観」を語るなら、これも語らずねばなりますまい。そう……


【異世界への誘い】


 昭和の頃。アジアの汁なし麺について知識を持っていた者は、とある常識を持っていました。それは、カップに湯切りの穴が用意されてなかった商品が、アジアには多数発売されていた、という歴史的事実です。


 じゃあ、どうやって湯切りしたの?


 その場合、カップのフタに「いくつもの穴の位置の印刷」だけがされていて、食べようとする人がその位置に、自分でハシを差して穴を開けるのです。で、容器を傾けてその穴から湯切りを……


 ホントなんだってば!

 ホントにそういう時代があったんだってば!


 カクヨムのお若いユーザーさんには信じられないでしょうが……


 昭和の時代は、映画の上映中に客席でタバコが吸えたり、テレビの地上波で若いお姉さんの生オッパイを見れたり、薬局で書類にハンコを押すだけでドラッグが買えたり、有名大学の学生同士が殺し合いをしたり(元祖デスゲームですね!)、死体を突っついて裏返すバイト(元祖闇バイトですね!)があったりしたんですよ?


 まさしくジャンク&ギルティ!


 で、尻鳥は思ったワケです。この自分で穴を開けるという方法……


 「汁ありカップ麺」を「汁なしカップ麺」に「転生」させるチートなんじゃね? と。これはもう、「私の世界観」そのものを「異世界観」に変えてしまうメソッドと言えますね!


 それでは、その転生の手順をご説明しましょう。


 《異世界汁なし麺のレシピ》


 ※ご注意 以下の一連の作業は大変な危険が伴うものであり、実行には細心の注意が必要です。ご利用は計画的に(笑)。


① 汁ありカップ麺を用意します。尻鳥はなぜか、高級タイプの商品よりリーズナブルな商品のほうがより美味しくなると感じています。優れたスキル持ちよりハズレスキル持ちのほうが大成する点では、異世界モノと同様ですね!


② カップのフタに穴を開けます。お湯を入れてから開けると悲惨なことなる可能性が高いので順番を絶対に間違えないでください。

 穴を開ける道具は、ハシよりも調理鋏の片刃を使うほうが便利ですね。穴の位置はノーマルな汁なし麺の穴を参考にして、フタ開封部分の反対側に、ハシならば8~10個、鋏ならば3~4個の穴を開けます。


③ もし別添のタレやスープがある場合は、それらをすべて開封してカップに入れておきます。フタの規定の位置を開けたカップに沸騰したお湯を慎重に注ぎ、規定の時間または―1.0マイナス・ワンメソッドもしくはお好みの時間だけ待ちます。


④ 戻し湯、いや、スープをマグ等の容器に慎重に注ぎます。ヤケドの危険を避けるため、この作業には必ず鍋掴みまたはタオル等を使ってください。絶対にカップを素手で持ってはいけません。麺の欠片がスープに混じっても気にしない。


⑤ 出来上がり! 後は汁なし麺を食すときと同じです。スープが濃いと感じた場合は、お湯を継ぎ足してください。濃いままのスープを利用して、つけ麺風に食べるのもグッド。麺に味がついているのでトッピングは塩分が薄いものをお勧めします。


【最後に、お願いします】


 いやあ、いやいや、「偏愛」などと言いながら、マジっぽい愛情が炸裂したテキストになってしまいました。もちろん尻鳥が世界で最も愛するのは奥様なんですけど。


 でも…… 尻鳥はつねづね思うのです。

 結局、すべての「愛」とは「偏愛」じゃないか、と。


 私は自他共に認める愛妻家ですが、その事実に「ケッ」と呟くかたは実在します。気に入らない政治家が襲われたりすると、喜んでしまうリベラルのかたは実在します。ガンジーさんはイギリスを愛してなかったし、ナイチンゲールさんは敵兵を治療していないし、軍備を持っていない北欧の国はありません。


 ある人にとっての「愛」は、それが正しいか正しくなかろうが、他のかたにとっては「愛」であるとは限らないのです。ジャンクでギルティなものであるかも知れないのです。


 尻鳥の世界観やネットの正義がそうであるように、普遍的な誰でも認める愛は、博愛や人類愛なども含めて、理想とフィクションの中にしか存在しないのです。


 尻鳥は、皆様にお願いします。


 貴方が持つ「愛」は、「偏愛」です。なぜなら、すべての愛は偏愛だからです。だからこそ、その偏愛を大事にしてください。たとえその愛が、誰からも褒められなくても、誰からも評価されなくても、他者の権利と尊厳を犯さない限り……


 自らの愛を、価値のないモノだ、くだらないモノだ、なんて決して蔑まないでください。


 そして、その愛のままに生きてください。

 目指せ、ジャンク&ギルティ!


 だって……

 そのほうが楽しいじゃない?


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ジャンク&ギルティ!我が偏愛の汁なしカップ麺 尻鳥雅晶 @ibarikobuta

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