自作を抜いて全50作品が参加。
読み合いとかの相互評価を謳わないニッチな企画としては、大成功だと言えるでしょう。募集期間を長くしたせいもあるのかな。
企画タイトルは【あなたの「あの世」読ませてください!】
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093085293837116?order=published_atでも、参加作品を見て、少し気になることがあるんです。
半分以上が、「地獄」か「死神(の、ようなもの含む)」の話なんです。
わざわざ禁じていたのに「転生途中としてだけのあの世シーン」を書いた参加作品もあって、こういうのは除いたとしても……
企画意図が「あの世」なのに、内容が地獄と死神だけに集中するってどうなのよ?、天国や転生の話と同じくらいの比重にならないの?、と思うんですよねえ。50作品もあるのにさあ、あきらかに偏ってる。
それで、もっと気になるのは「地獄に堕ちた人」の視点がほとんどない。たいてい「地獄に堕とす人」の視点の話ばかり。
そりゃあ、企画のもとになった自作「あの世って何なのよ」にだって、そういう視点がないと言ったらウソになりますよ。そういう自覚があればこそ地獄だけじゃなくて「あの世」全体や、そんな自覚の上での分析や自嘲を描こうとチャレンジしたんですよね。
作中の悪魔の台詞として、私こう書きました。
『そもそもですね、なぜ、地獄が存在してるのかお判りですか? 人間がそれを望んだからですよ。 (中略) 誰かを地獄に堕としたくて堕としたくてたまらない無数のかたがたが、無意識のうちにその願いを自らかなえたのですよ。そう、決して他人を許せない人間が地獄を創ったのです。』
私が本当に期待していたのは、拙作と同じくらい自らの昏い内面に踏み込んだ作品とか、ヨシタケシンスケさん(このかたは超オススメ)の絵本「このあと どうしちゃおう」みたいな作品だったんだけど、それは無かったな~
みんな必ず死ぬじゃん。
リアルな自分の死に対する考え方やその表現方法、そしてそれを題材にするかどうか、は、その人の自由だけどさ、これほど大きなネタはモノカキとして魅力的だと思うんだけどなあ。