パスコードを忘れ、思い出そうと自らの半生を棚卸する過程で自らの内面を再認識するというテーマ性の高い作品です。
しばしば自身や周囲で発生する日常の落とし穴───「パスコード忘れ」
友人知人が被害にあった場合は他人事として高みの見物ができますが、自分自身におこると他の事が手につかない気持ちの悪さと不安感にさいなまれます。
主人公も同様に、このことが気がかりで他の事が疎かになりますが、パスコードは自分のもっとも大切な番号であった事、そしてその番号をいつも大切に思っていた為、逆に失念してしまっていた事、そしてそこの事が自分自身の本心の強さの表れという事に気付かされるというストーリー展開に「面白い」と「感動」が同時に押し寄せます。
オススメさせていただきます。
もっともっと評価されて多くの方に読まれて欲しいと思える作品です。