これは、すごい。

文章の読みやすさもさることながら、登場人物たちの心の葛藤に引き込まれるようにして、ひと息に読みました。夢野久作の『瓶詰地獄』が、全体を通じる低く穏やかなメロディーのように流れますが、その上で主人公が下した決断に、心を打たれます。