第3話

理由なんかなかった。強いていうなら、疲れるから。

ノートに向き合う時間が好きだから。

おこづかいを貰わない僕は、買い食いのよさよりも、ノリで無くなった財布の中身を気にしてしまうから。

道の売店の食べ物より、鉛筆やノートを買いたいから。

誘いが、嫌だった。


 慎重過ぎていただけ。まぁ青春特有の、

誰かとノリで無くしていくものが、嫌だったのだろう。

そりゃだから、なくならないように、ノリが悪くなる。

クラス委員長は飲酒して騒いでるのに今日も委員長だった。誰か呟いちゃえば面白いのに。




ぐるぐると、シャーペンが円を描く。



友達を作らないと、

「あいつ周りをばかにしてる」という被害妄想が、よく一人歩きする。


僕みたいなガキが、一人、そいつをばかにしたってなんら世界は変わらないのに。

「おはよー!!」


 平穏が壊れたのはいつから?

少なくともあのノートに、櫻ちゃんが絡むようになってから。


「あ、柚月君、おはよー!!」

個別に挨拶するな。

とも言わない。


「おはよう」


 入学してすぐの頃。

自席から動かず淡々と作業をする僕に、櫻ちゃんはなにが楽しいのか話しかけていた。

だけど、意味もわからないからと僕は態度を変えたりもしない。


「そんなんじゃ、友達できないよ!」


なんて。

『一見良い人』そうなことを言う櫻ちゃん。

を、無視して僕は本を読む。



心のなかは、みんな友達。

相手が思ってなくてもね。

助け合える。

だから、グループだの定期集会には入れないでくれ。

僕は困ってたらちゃんと助け合える。できる範囲で。

「友達なんかいらないよ」

適当なことを言う。

正確には、定期的に会話するのが面倒だ。

定期的に食事するのも面倒だ。

定期的に遊ぶのが面倒だ。

町内会の集まりかっつーの。

 委員長みたいにふざけて酒を飲み合うグループにはなりたくない。


まぁ、そんなとこ。


 ふざけて危険を犯すのを拒絶してるだけ、くらいなこと。

ノリ悪い、真面目君。

なんてナイスな役。


「今ならお安くしておくよ」


「お高くとまろうよ」



独りが好きです感を

演出してるんですがね……なぜ、踏み込むの。


「僕なんかと居たらいじめられるよ?」


いじめられようが興味はありませんが。


「心配してくれるのっ!! 優しいね!またね」


会話を切ろうとすると、さらについてくる櫻ちゃん。

けれど数分で居なくなる。


授業の準備、が時間を区切るから。

この合間というのはありがたいから好きだ。



……


そんな風に近づく櫻ちゃんをかわす日々だったのに、あの日はチャンスを与えてしまった……

まさか、見てるなんて。


 櫻ちゃんは僕に設定を持っているらしい。

 静かで、大人で、目立たないけど好かれたくて一部にしか好かれなくて同性からは嫌われていて影で泣いている。


……そういう者に、見えるらしい。



「私、っ、私だけなのおおお!」



 静かな読書の時間、睡眠の時間、適当に校舎をふらつく時間、泣いているなんてことは無い。

地味な生活を自分に課したんだから。


ふらついて痛む頭で、櫻ちゃんのよくわからない、僕へのキャラ設定を聞き流す――――


「バカなお前


私見つけた


まさにキセキ


独り占めてたい


実はいつも影で泣いてる

まさに私


道化師同士!



みたいな感じだっただろう。あんまり覚えてない。

櫻ちゃんの執着は、妄信的で、正直誰の話してるのかがよくわからなかったりした。

 この話をするとよく、僕が悪いと言われる。

もっと自己評価が高ければ、僕のことを言うな!と言えたんでしょう。


 だけど、僕は人から直接誉められたことがほとんど無い。

たとえば頑張った成果があっても「ふーん」と言われてしまう人柄。

こんなやつが!

といじめの標的になるだけの弱さ。


まさかそんなキラキラした可愛いげが、僕にあるようにはとても欠片も共感出来ないのだから冷静に自分とは思いもよらない。








周りの表情以外では、僕は、まるきり、気づかなかった。

あまり誉められたりしていなさそうな人が、気付くことなど、無謀に等しい。


 クラスメイトは、櫻ちゃんに好かれているという表面的な妬みで、

僕を見殺し、売った……誰一人も信用出来ないクラスなのです。

ある意味、永遠に(櫻ちゃんに絡まれる以外は)一人を手に入れたけど。



「櫻ちゃん、僕は、もういいから、離れて……」




 永藍さんだけは理解者だ。

こんな話しかけにくいなかで、普通に話してくれる。


だから巻き込んじゃだめだ。

なんだか泣きそう。


「僕のこと……櫻ちゃんはまるでわからないよ」


 投げ飛ばされたことを思いだして起き上がり、櫻ちゃんをにらんだ。

足をくじいたらしくて少しよろけながら歩いた。

櫻ちゃんは必死に、ごめんねごめんねと言う。

謝罪には聞こえないような、むしろ単なる媚びなような。

なにもかもが不快で、僕はついてくるなと言った。


全部が悪いわけじゃないか。

こんな状況でも、話しかけてくれるなんて。

どれだけ特別なのか。

永藍さんのことを考えたら胸が暖かくなる。

クラスのやつらには出来ないことを、簡単にしてくれた。


パンダを思い出した。

 パンダは肉食でもある。だけど、戦いに負け消化に悪い笹を食らうしかないと誰かが言ってた。

嘘かホントかはわからないけど。

人間もみんな『笹』を食べて生きているのかもしれない。







ドウブツエン

櫻ちゃんは、次の日学校を休んだ。

 櫻ちゃんのインコ教を通じた知り合いの養豚場で、コレラの騒動の処理に大忙しで、どうやらその手伝いに行くらしい。

昨日の今日での建前なのか、本音なのかは、定かじゃないけれど、少し僕はほっとしてもいた。


「騒動が収まるまでは、牧場も閉めるみたいだよ」


クラスの櫻ちゃんファン? の集まりは、そんな話題で盛り上がっていた。誰かが菌を持ち込んだりするのも危ないから慎重になっているようだ。

昨日くじいた足はまだ鈍く痛んでいた。幸い歩けないほどではないけど、意識するとどうしても昨日を思い浮かべてしまう。

頭の中に、数々の台詞が甦る。



「柚月君は、櫻を愛してるの!!四六時中櫻のこと考えて、櫻にときめいてるんだから! 告白されて、結ばれたの!」


「震えまくっているわよ!! そりゃもうファミリー銭湯のマッサージ機の強くらいは震えてるわ! 見てわからないの!」



「ふん、恋のすごさがわからないなんて! あんた清純そうな顔してるけどほんとはめちゃくちゃ恋人欲しいでしょ? モテない自分をな・ぐ・さ・め・て・る・んですっっ! つって~?


そーれをあんな安物本で、誘惑して!」




マッサージ機の強。


……僕は、そんなに、ガタガタしている?



自分の両手を顔の前に翳して、ぼーっと考えてみる。


3.栞愛と茉愛と、僕


 その日の休み時間にはいつものように教室で本を読んで、いつも以上に羽根を伸ばした。

なにか飲み物でも買いにいこうと廊下に出ようとしているとガヤガヤと声がした。


「藍って嫌だわー」


「わかるわー」


あれは……

牛乃尾栞愛しおりいと牛乃尾茉愛まい。

インコ教の付き合いかなにかあるらしく、櫻ちゃんとも仲が良い姉妹だった。


「あ。櫻ちゃんのお気に入りだ」

「うわっ! しおりい怖ーい」


教室に戻るらしく二人で通路を塞ぎながらきゃあきゃあ騒いでいるから教室から出られない。

「あの、どいてもらえるかな?」

「あのさあ櫻ちゃん休みだって! まい、お見舞い行くけど、あんたは行くわけぇ?」


「……行かない」


家知らないし。



「しおりい、多田エミリんも嫌なんだぁ」


「わかるぅ、わかるわ! あの子すぐ嘘つくし、自分がやってること人のせいにすり替えるんだよ」


「まい、詳しいね」


 二人はきゃいきゃい話始めてしまったので、僕は退いてほしいというタイミングを逃しそうだった。

櫻ちゃんが居ない自由を今日という日の休憩時間を、少しでも長く堪能したいのに……


ま、まさか、わざとなのか?

壁に寄りかかり、徹底して二人で退かないつもりみたいだ。

僕は反対側の出入り口に向かう。

ひそひそと櫻ちゃんファンがなにか言っていた。



 しばらくしてようやく出られた廊下で、先生とすれ違う。この学校はインコ教の息がかかってる噂もあるが、櫻ちゃんびいきな先生も、なんだかつまらなそうだった。

そりゃ僕にだって言葉が足りなかった部分が多いし、それに相手が好きなだけというのなら、納得は出来る。

一瞬仕方ないとも、思った。


だけど最近考えることは、それが理解されて、しっかり通用する社会だとしたって──

それを都合良く、悪用する人が出てくるのは必至だ。


そうしたら、さらに、居場所が無くなる。立場が悪くなる。

そうなれば、今度こそそれを騙る人を絶望し、嫌悪してしまうのは自然だ。

中途半端な理解がある分余計にたちが悪くなってしまう。















「それは、きみが? 周り?」



昨夜電話をかけたとき、永藍さんはとても淡々としていた。



「どちらも」


「でも、報われないことも多いだろう? なにかを隠して生きるストレスは、大きいだろうに」


「──それでも、いいんです。嘘を付かなきゃ生きていけないし、隠さなきゃ居場所はないし、誤魔化さなきゃ笑えなくても──それが矛盾で、論理的にズレていても。


ずっと抱えている。今さら、肩代わりなんて、誰にも出来ない。飢餓状態から一気に食べて、死んじゃうようなものだから」


どこにもいないような人は、案外どこにでも隠れていて、それが、わかっただけでも幸せなのかもしれない。

軽い気持ちでありがとね、と出来なくもない。けれどそんな中途半端な思いで答えを出したくない。








『櫻は重い』



 だからいつも避けられてきた。

他人をモノ扱いすることに、なれていた。

 私にとって、他人は物なのだ。物でしかなくて、都合よく動いているとしか思ってない。

好き、になると、相手って物に変わってしまうんだと思う。


人権?


そんなものは恋を前にすれば、ないも同然な乙女の特権だと心のそこから思っている。

 中学のとき彼氏との間に出来た子どもは、随分昔に、殺してしまった。



ちょっとお菓子を食べさせようとしただけだったのに。

吐いている姿を見て、苛立って「吐くな」って、強く揺さぶったら死んだ。


かわいい姿を見たかっただけなのに、思ったように好いてくれないし、全然かわいくなくて。親なのに。

自分を愛せないその子に、なんの意味があるだろう?


柚月君を見ていたら、そんな頃を思い出してしまう。

あのときから、なにひとつも変わっていない私。

彼が、私にあんな目をするとは思ってもいなくて腹が立っていた。

私の『物』なのに。



 ベッドから起き上がるも、そのまま呆然としてしまう。

なんだかんだいっても好きなのは自分自身で、それはわかってる。私は、ただ愛される自分が好きなだけだ。



「朝飯、どうしよう」


パン?ごはん?


パンがなければ……というあの人の話が頭をよぎる。

殺す理由が無いから尾ひれがついたデマとも言われてるらしいから実はいいひとかもしれないけど、歴史って苦手だ。


死んだ人のことを、あれこれ言っても真相なんかわからない。


「私の日常は、パンがなくても、ご飯を食べられる。

柚月君も、私がいなくても、誰かを愛せる……」

こだわる理由なんて、私にしかない。

私じゃなくたって、別に柚月君は生きていける。

私は、彼に、別に居なくてもいい存在だ。


「なんの、価値も……」


愕然としそうになる。


「なんの価値も!! 私は価値を高めたいだけだっていうの!」


柚月君を突き飛ばしたのは私自身。

どんな理由があったって、そういうことが躊躇わずに出来てしまう子ばかりじゃないことくらい、彼も知ってるはず。



机から手鏡を投げつける。


「私を認めないから!!」


はぁ、はぁっ、と荒い息があがるけど、まだ気持ちが収まらない。


「私! なんで私じゃないの!!! 柚月君は他の人とも話せるんだ、そうなんだ!!!」




――――お前はどうなんだ?



「うるさい、うるさいっ、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさああああああい!! 櫻友達居るもん!! たくさん大量だもん!! マジぱねぇくらいいるもん!! ラインに百億くらいいるもん!!!」


廊下に飛び出して、私は叫び続ける。


「櫻友達沢山いるの!! 羨ましいんでしょ!? 羨ましいからそんなこと思うんだ!! ちゃんと私柚月君以外とも話してる!!」


そこは、誰が居るわけでもない、ただの質素な通路。

最近バタバタしてたから、少しほこりっぽい。


「櫻が独占してるんじゃないのッ! 柚月くんが可哀想だから、櫻は率先して、ただそれだけなのに! なんで私を無視するの!! 私の優しさなんだと思ってるの!!!! リアルアカ百億人なめんな!???」



ふんっ! と鼻息を荒くしながら、部屋に戻ると、パソコンからTwitterを起動する。

美少女なので基本的にフォロワーが3000~4000人以上はいるが、いくらかはインコ教関係だ。

「おはよ(´・ω・`)!今日風邪引いたみたい。季節のかわり目は気をつけないと('◇')

朝飯は、○○社の紅茶と昨日作ったマフィンをいただいて、美味~」 


カキコミカキコミ。


「うおらぁ、終わったッ、飯食うじょいー!!!」


ハッ。


「朝食の支度をしなくちゃっ!」

思いの他図太い声が出て少し恥ずかしい。キョロキョロしたが、幸いそこにまだ誰もいなかった。






・・・・・・・・・・・・・・・・




おはようございます柚月です。


寮のベッドから眠くて起きられません。

結局僕は櫻ちゃんのお見舞いに行くとはいわなかった。

あそこは苦手なヌシが住んでるからなと笑い飛ばす度胸もなくて、ただ用事があると言って、そのあとも普段通りに一日を終えた僕は、それからも日々櫻ちゃんが居ない毎日だった。


 眠い。とても眠いのと、なぜかとてもお腹がすく。

 櫻ちゃんが教室に来なくなって3週間。

安心したのか最近一日四食。

五食のときもあった。

おなかがすくと動けないし眠いと動けないし。

なんでこんなに二大欲求がやたらくるのでしょうかね……

食べて、また食べて、お風呂入って寝て……

寝て……



「あぁ。おなかすいた……」


夜まで寝た。




 その日は休日だったのもあって僕は盛大に寝ていた。

最近御飯を食べる時間が苦手だ。

作る気がしなくて結局、下に降りてコンビニでパンを買ったけど、猛烈にご飯が食べたい。


「失敗したなぁ」


櫻ちゃんの顔をずいぶん見ていなくても案外平気だな。

なんて思っていたら携帯に着信。


「電気は消したけどギリギリ起きてるので、ノックしてきてね……」


なんて声。

声。

女の子の声


「さ、櫻――」


「今、あなたの部屋にいます」

2019.9.2.19:51


さ……櫻ちゃん!?

サクラチャン!?

ちょっと待ってちょっと待って櫻ちゃん。混乱がパニックを極めようとしていた。

もはやストーカー……いや、いやいやいや。首を横に振る僕。何で?

学校に居ないかと思えば、なにしてんの?

いろいろ言いたいことはあるけど……とりあえず、深呼吸だ。よし。


「ハァイ メリーさん! お久しぶりです!」


「もしかして、自販機のとこに居る?」


「なっ」


「もしかして、櫻が来るから気を効かせて飲み物用意してくれたんだ! 嬉しい!」



通じあってねぇよ。



頭の中に、数々の台詞が甦る。



――柚月君は、櫻を愛してるの!!四六時中櫻のこと考えて、櫻にときめいてるんだから! 告白されて、結ばれたの!




――震えまくっているわよ!! そりゃもうファミリー銭湯のマッサージ機の強くらいは震えてるわ! 見てわからないの!



――ふん、恋のすごさがわからないなんて! あんた清純そうな顔してるけどほんとはめちゃくちゃ恋人欲しいでしょ? モテない自分をな・ぐ・さ・め・て・る・んですっっ! つって~?

そーれをあんな安物本で、誘惑して!


「柚月君、私ね……そうだなー、レモンティがいいかも」



「なんで、部屋に、いるの」



「サプライズだよ、しばらく会えなくて寂しかったんじゃない?私は寂しくて寂しくて」


「震える?」


「woo~」


私ね、柚月君のこと、考えてみたの。私のせいで友達がいないって悲しいなあって」


「櫻ちゃん……」



「柚月君の人生は、柚月君のもの」


うんうん。

なんだか、変な回想のせいかこわばる身体が、少しずつほぐれていくような気がした。


「だから、インコ教のみんなからも、徹底して柚月君のよさを宣伝、近所に良いイメージを撒くことにしたの、もちろん私の指示で!」




はいっ、

ステマ────────!!



「柚月君の友達なんだから、彼女の私が選ばなくちゃ! 大丈夫、みんないい子たちだよ!」



「櫻ちゃん、友達ってのはね、

指示されて一斉につくものじゃないんだよ! 心というものが」


「社会的評価もぐんとあがるね!

良かったね、いい彼女がいて!私のおかげだよ」



僕は理解しました。

櫻ちゃんと、そのステマたちが僕を幸せにすることなどないと。そんな勢いで大きな評価されても、なにか仕組まれてると勘ぐって、みんな離れていくに決まってる。


ステマと誤解されたら、評価がぐんと下がる。


櫻ちゃんが、僕の人生に影響を与えた人になれてもせいぜい、村人Bだ。


「もちろん、このお話のレビューも、じかにアカウントではなくて、専門バイトによって

新着コメント欄を使用するわ!チェックしてね?」



いや!

せめて直接送って!!




 でもなんか、櫻ちゃん反省してるみたいだし、評価を手伝ってくれるのかな?

そう思うと、善意を否定しづらい。

どう切り出そうか迷いながら、その日は、まあ、いろいろあったなりに過ぎて居た。











次の朝。


学校中で僕はクスクス笑われていた。

 HR前には普段あまり話しかけて来ないクラスメイトが珍しく、こちらに来てスマホを見せてきた。




なになに…………

見てみると有名小説投稿サイトのものらしい。


そして圧倒的フォロワーを誇る、櫻ちゃんのアカウント!!?

大人気小説を連載してるらしい。


『櫻ちゃん(と彼氏の) 一代巨編。櫻ちゃんの書いた小説だよ!』


中身は多少アレンジはあるが、わりと僕が書いたノートの内容じゃないか!!!


あとがきをみると、櫻ちゃん、の引き立てアシスタントの名前に僕が小さく書いてある。


『大好きな旦那様♥️♥️』



やめろおおおおおお!!!!



(たぶんインコ教圧倒的バックアップで)

今度櫻ちゃんの小説が販売されるらしい。

URLを教えてもらい、自分の携帯からアクセスしてみると、確かに、旦那様♥️との日記も存在していた。


《完》





 勝手に巻き込んじゃう櫻ちゃんのわがままラブは届くのか!?ステマはやめよう櫻ちゃん!


この作品はフィクションです

ありがとうございました。

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櫻ちゃんと僕 たくひあい @aijiyoshi

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