第64話
食後。
俺達は、売店を見ることに。
「ねぇ、慎くん。
この黄金らすく美味しそうじゃない?」
緋音は、金色のパッケージを指差していた。
『黄金らすく』と言う名称で、味は三ケ日みかんらしい。
箱自体は、白黒のパッケージだが中身はこの金色の個包装がされているようだ。
「確かに美味しそうだね」
「じゃあ、これと…」
「あんまりいっぱいは無理だよ、サイドバッグに入るだけね」
「…あ、うん」
緋音は、残念そうに返事をした。
他にも、『秋葉まいり』と言うチョコがコーティングされたラスクや『ご利益きな粉茶団子』と言うきな粉が塗してある茶団子なんかもある。
ちなみに、浜松の『きな粉』のイントネーションは他とは違う。
『しらす』とか『半袖』とかも違うな。
「お、遠州紬」
俺は、売店の一角で遠州綿紬で作られてた小物を発見した。
多彩な縞模様が特徴で優しく温かみのある色である。
タテ糸とヨコ糸を組み合わせることで縞模様が表現されている。
そう言えば、母さんはまだパッチワークはやっているのだろうか。
工芸工房へよく通っていたのをふと思い出した。
今度会った時にでも聞いてみよう。
「慎くん、お待たせ」
緋音は、箱のお菓子をいくつか買っていた。
このサイズはいるかな?
サイドバッグは、黒革製の17Lの物が両サイドに取り付けてある。
といっても、片方は合羽を詰めているから入っても1箱だろう。
うーん、分ければギリギリかな。
他には何も入らない気がする。
「じゃあ、帰ろうか」
「うん」
俺達は、秋葉茶屋を出る。
すると、外の風景が一変していた。
霧が張っていて1m先の様子がうまく見えない。
「わぁ、凄い霧」
「下りは慎重にいくよ」
「うん、ゆっくりいこ」
俺達は、神門へと向かう。
そして、また長い階段を下りて駐車場へと向かった。
その間も霧は深まるばかりだった。
緋音は、俺の腕に抱き着いている。
まあ、ここまで霧に覆われると不安にもなるよな。
俺は、特に振り払う事もなく階段を下りていく。
「鹿…見えないね」
「流石に無理だね」
柵の向こう側は一層霧が濃い為、見ることはかなわない。
まあ、飼われているのだから次に来た時の楽しみにしておけばいいと思う。
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次回、霧の中のツーリング
お土産の詳細は、帰宅後に改めて出てきます。
ちなみに、秋葉茶屋。
昔は、ほとんど開いていなかった。
近年は、割と営業しているらしいです。
観光も増えた影響でしょう。
ジュビロ磐田に、嵐の二宮和也さんの参拝記念の記念樹だったり。
記念樹は、簡易的な授与所の傍にあります。
物語上では、触れない話にしています。
また、手水舎の柄杓使用はコロナ禍に切り火へと変わっています。
そして、幸福の鳥居。
夏の大祓の時には、大きな輪っかが掲げられます。
秋葉山の魅力は、語るとキリがなかったり。
私にとっても、思い出深い地です。
10代の頃から自転車で上り、20代からは50ccバイク、30代からは車、そして現在は125ccバイクと年間に数回は訪れています。
四季によって見せる風景が変わり写真家時代にはよく秋葉山よりも北側、山住神社へ行き、明神峡を下ったりなんかしてました。
これからも、どうぞご観覧いただきますようお願いします。
近況ノートにて、秋葉山ツーリングの様子が分かる画像等置いてます。
近況ノートのリンクは、X(旧Twitter)のリンクになります。
次の更新予定
40歳おっさん、幼馴染み♀と再会する 天風 繋 @amkze
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