ゴールドフィンガー ー後編ー

[服飾・美容科]の学生達が

自分達がデザインした服を展示しているフロアに来たリタ達


服が並ぶ一角にカラーサンプル一覧表が張り出されていた

他にメイク用具もあった


最近、自記に関するイベントでよく人と合っていた

特に薄暗い室内でのリモート出演が多く

相手のデバイスの解像度の高低が解らないため

少しだけ厚めの化粧で視認性を良くしていて

化粧品の減りが著しく丁度買おうかと思っていたリタ

安くて品質がいいので

同じく最近、人と合う機会が増えた蕭子の分も買う


マックスはアルーのマスク

子供が怪我しない様に肌質を再現してて

やろうと思えばメイクもできると説明


アルーの隣では免許を持った講師が

嫗に『化粧療法』を施していた


その嫗は化粧で

綺麗になった自分をみて生き生きとしはじめ

“人生の黒歴史だった”と否定し人に明かしたがらなかった

創作劇団のメイク担当時代を語りだした


どんなメイクをしていたかを説明するためブラシを持つが

する相手がおらず探していた


“んー、ロボットちゃん、メイクにキョーミあるの?”


アルーはこくこくっと頷いた

嫗は手慣れた手つきでアイライナーを引き、チークを塗った

睫毛ダスト・ワイパーにもカーラーを当てた

最後に黄金色の星型のフェイスシールをぺたりと張った

無機質な顔がきらきらして途端に可愛らしくなった


“ロボットにしたの初めてだわ、70歳にもなっても新しいシゲキって大事だねェ”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オートマチックルーデンス じゅらく/くちべに @jurabeni

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ