第24話

隣で静かに寝息を立てる洸輝の髪をそっと撫でて、そのまま頬に指を滑らせる。



くすぐったそうに身動ぎし、洸輝の綺麗な目がゆっくり開く。



「ん……渚那……」



「起こした? ごめんね」



優しく抱き寄せられ、大きな体に包み込まれる。



「渚那はさ……俺のお嫁さんになるの……怖い?」



不安そうで、探るような声が頭上でする。洸輝も、不安なんだと知る。



不安だから、執着して、逃がさないように抱きしめる。



「怖くないって言ったら、嘘になるかな」



そう言うと、洸輝の体が強ばった。



「でも、嫌じゃないよ。むしろ、早く洸輝の奥さんになりたい。私はなんの力もないし、出来る事もない。でも、洸輝の為になるなら、傍にいたいって、思うよ。私自身も、洸輝の傍にいたいし、離れろって言われたって、離れられないよ、今更。そうしたのは洸輝でしょ?」



意地の悪い笑顔をしていたと思う。



でも、洸輝が凄く嬉しそうに笑うから、いいかって思う。



「どうしよ……ほんと、好きすぎる……」



「私も、どうしようか」



額をくっつけてそう聞くと、興奮したように息を漏らす。



キスが深くなり、手がするりとお尻を掴む。



「んっ……手つき、やらしぃ……」



「はぁ……やらしい事するんだから、当たり前でしょ……ンんっ……はぁはぁ……渚那っ……あぁ、愛してる……愛してるよ……渚那……」



硬くなったモノが当たってるのが分かる。そのまま腰が動いて、興奮がこちらまで伝染する。



男らしい指が、私の秘部を撫でる。



「もうここ凄いよ……ぐっしょぐしょ……キス

されながら、お尻揉まれるの気持ちいい?」



「洸輝にっ、んっ、触られたとこ、は、ぁ、みんな……き、もちぃ……よ……」



当たってる硬いのが、ビクっとする。また少し大きくなった気がする。



「渚那……渚那っ……可愛すぎ……はぁはぁはぁはぁ……いっぱい愛して、愛して、犯し尽くしたい……」



「いっぱい愛して……」



洸輝が求めてくれる限り、私はこの人の傍にいたいと思う。



洸輝がいるなら、私はそれだけでいいから。







そして、数ヶ月が過ぎ、私は卒業する。



私はありがたい事に、近くの会社に就職できた。



洸輝は学校に私がいないと文句を言いながらも、毎日学校で勉強を頑張っている。



そして、同棲を始めてまた数ヶ月が経った。



月日が流れるのは早いもので、あっという間に洸輝が卒業する。



洸輝はそのままお義父さんの会社で、経営の勉強を兼ねて就職。



そして。



「はぁはぁはぁ……っ、んっ、声、ちょっと、我慢、してっ……」



「んっ、ふっ……っ、む、りぃ……ぁ……」



綺麗なウエディングドレスのまま、私は壁に押し付けられながら揺さぶられていた。



いやらしい水音と、二人の興奮した荒い吐息が部屋を支配して、頭が朦朧とする。



「み……きぃ……ぁあっ……だれ、かっ、きちゃっ……」



「もぅ、少しっ、少しっ……だからっ、はぁ、んっ……あぁっ、すご、いっ、ん、いい……気持ちぃ……ぁあ……」



次の準備もあるのに、欲情した洸輝につられて、私まで流されてしまった。



―――ドンドンドンっ! ガチャガチャガチャッ。



扉が強く叩かれ、私は体を固くするけれど、相変わらず洸輝に止まる気配はない。



「おいこら、洸輝っ! てめぇ、まーた渚那ちゃん襲ってんのかよっ! 今日みたいな日にまで、盛ってんじゃねぇよ。ったく……さっさと終わせろっ!」



見てもないのに分かるところは、さすが何度も遭遇している洸弥さんだからなのか。



言われた本人は特に何も気にする事なく、腰を振り続けている。



「あぁっ、んっ、はっ……もっ、イクっ、ぁ、渚那っ、愛してるっ、愛してるっ……」



「みつ、きっ、ンんぁっ、私、もっ、ああぁあああっ……」



深く口付け、同時に達した。



私達はずっとこんな調子なんだろう。



「渚那……一緒に、幸せに、なろうね。一生、ずっと、ずーっと、離してなんて、やらないからね……愛してる」



うっとりと囁いて、額にキスをする。



「洸輝……愛してる」



ゆっくりと口づけて、笑った。



こんなにも愛をたくさんくれる愛おしい人が現れるなんて、思ってもみなかった。



幸せになる事なんて、ないって思って、何かに興味を持つ事もやめた私に、今は自信を持ってって言いたい。



こんなに素敵な人が案外近くにいるんだよって。



いっぱいいっぱい幸せに、なれるんだよって。



祝福されながら、嬉しさに涙を流した。



その涙さえ、愛おしいと口づけてくれる人が隣で笑ってくれる。



胸がいっぱいだ。



私は、洸輝の家族になるんだ。



初めて、家族が出来るんだ。



くすぐったくて、何とも言えない気持ちが体中を支配する。



指が絡まる。



二人の薬指に、お揃いの指輪が光っていた。









~完~

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想いは重い 柚美 @yuzumi773

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