【あとがき】
【2つのあとがき⭐️】
【魔法のiらんどにて・初完結の時のあとがき】
「人を愛するって、どうすればいいの?」これは物語中の、ドールの言葉。
愛ってなんだろう?
答えられる人と、答えられない人、どちらが多いだろう?
触れることは出来ない。
だが、確かに存在するはず。
ただそれは、永遠とも限らない。
私には“愛”が、不思議なモノに思える。
─―リストカット―─このキーワードも、ドールに関係する。
私自身、リストカットをしていた時期がある。
カミソリで肩に“LOVE”と、書いたこともある。
あのとき私は、誰かに愛してほしかったのだろう。
だがそう刻んだところで、愛が手に入る訳もなく、どうしたらいいのか分からなくなった。
自分もしていた時期があるから、リストカットをしている人に、“やめな”とは言えなくなってしまった。だから私は、こう言った。
『私もしていた時があるから、“やめな”とは言えなくなった。ただ今になって私は、“親に悪いことをした”って、思ってる。』
そう言った。これもまた、難しいことです。
そして、雪哉とキャット、二人の騙し合いがスタートしました。二人が探しているモノも、結局は“愛”なのでしょう。
苦しくて、抱き締めてほしくて、好きでもない人と、関係を持ってしまったことがある。
その瞬間だけは安心出来るけど、そうして持った関係は、儚かった。
そして、誰かと付き合っても、自分はただの飾りになってしまう。
“愛”、この言葉は課題なのかもしれない。
こんな私の描く物語は、決して、綺麗ごとばかりではないでしょう。
けれどだからこそ、読んで、何かを感じてほしい。
主人公側も含め、善人を描いたつもりはない。だからと言って、悪人を描いた訳でもない。
“俺らは全員、人間になりそこねた鬼のよう”
聖が言っていました。
そう、争いに身を落とせば、私たちは、“人間になりそこねた鬼”になる。
善と善の対決ではない。悪と悪の対決でもない。
この物語は、弱い人間と弱い人間の、対決です。
彼らの明日はどうなるのか?そして、ドールや純、キャットは“愛”を見付けることが、出来るのでしょうか?
困難に直面しながら、成長し、または、汚れていく……彼らのストーリーを、是非、見守ってあげて下さい。
今宵は瞳をとじて Ⅱ をご愛読頂き、ありがとうございました。
◆◇───────◇────────◇◆
【カクヨム移行後のあとがき】
今宵は瞳をとじて Ⅱ を御愛読頂き、ありがとうございました! 2013/1/17・魔法のiらんどにて公開した作品を少々改訂しつつ、投稿させて頂きました!
まず、iらんど時代に書いたあとがきですが、今読み返して見ると、作者の過去の話が重めなようです。もしも不快に感じられた方がおりましたら、申し訳ありませんでした。( Ⅰ のiらんど時代のあとがきも作者の過去が重めでした。申し訳ございません。)
Ⅰ のあとがきも Ⅱ のあとがきも、初めはカクヨム版として書き直してしまおうかと思っていたのですが、読んでみると12年前の自分が、〝敢えて真摯に本当の自分の事を書いた〟という想いが伝わってきたので、削除せずに残す事に致しました。
それもまた、作品同様、〝あの頃にしか書けなかったあとがき〟であったからです。
現在の私ならば、自分の過去の一部をあとがきに書きはしなかったでしょう。現在は過去がほぼほぼ昇華されており、〝何も気にしていないから〟です。
では12年前は、どうであったのか? ……──あの頃は〝気にしていないし、乗り越えた。私は強く生きているから〟と、そう言い張っているような時期でした。
今思えば、その状況は〝まだまだ強がりだっただろうな〟と思います。本当は〝気にしているし、まだまだ心が痛かった〟のでしょう。
そしてその過去を自分の影であると思っていたから、敢えてあとがきを使い、読者様に〝私はこういう人間なんです。ですので、もしも受け入れて頂けないようならば、仕方がないと、そう思っております〟って、そううったえたかったんです。〝敢えて正直に、真摯に話して、それでも私の作品を好きだ言って下さるならば〟と、そういう作者の覚悟であったのです。
今であったのならば、気にしていなさすぎる故に〝真摯にそれを伝えないとならない〟とも思い至らない事でしょう。〝伝えないのではなくて、思い至りもしない〟です。
けれど昔の自分が〝自分の過去の話〟を書いておいてくれたお陰で、今になり、こう読者様にお伝えする事が出来ます。〝そういう過去を持ち、いろいろな負の感情も何もかも抱きながら、それでも信念を胸に生き抜いてきた人間が書いた物語です〟と。
そう思うとやはり、作者の過去の経験の開示もある程度必要なのかもしれませんね。今回の件でそのようにも思いました。
“作風やその作家の書く物語が陥りやすい展開”は、作家の人生の在り方や経験、思考などが自然と反映されるものなのだろうな……と、私は思います。私自身がそうであるから。
私は平凡すぎる物語や、初めから幸せな物語がどうしても書けないんです。( 番外編の茶番回は別ですよ🌷 )〝辛くても生き抜いて、少しずつ幸せを勝ち取って、少しずつ成長して、気が付いて〟と、どうしてもそういう物語になっていくんです。自分の人生がそうだからです。
やはり、12年前から物語を綴っていて良かったです。綴っていなかったなら、忘れていってしまっていた感情があったかもしれないからです。あの頃の自分と同じような苦しみや感情を抱いている人がいたのなら、この物語が届いてほしいと思うから。
──一つずつ癒して、尚且つ物語に感情を組み込むことで昇華を助けて、かけがえのない物語が出来た今だからこそ言える事だけれど、乗り越えて、癒えてさえしまえば、己が感じていた苦しみの感情さえも、財産なのでしょう。それらの感情は、私にとってのかけがえのない物語の中で、いつだって〝この感情を忘れないで。ここへ綴っておいて。きっと、同じような痛みを知っている、誰かの心に寄り添うものになれるから〟と、そう訴え続けてくれているのですから。
【ドールの台詞について⭐️】
──『人を愛するって、どうすればいいの?』──
この表現も、おそらく今では書けなかった表現です。
“どうすればいい?”、愛の話をしているのに、聞き方がまるで、“この機械どうやって操作すればいいの?”みたいな表現ですよね。
12年前の私が書いたリアルだからこそ、自然とこのような表現になったのでしょう。本当に、今だからこそ、抱き締めて大切にしたいです。
おそらく愛を理解している作家さんが〝愛を理解出来ていないキャラクター〟を作り想像して台詞をつけたなら、『人のことって、どうやって愛すればいいの?』とかになるのでは? と思います。
( あれから約12年、 愛は動物が教えてくれました )
【作品の補足について⭐️】
それから〝昔の果巻はいろいろと重かったのだ〟と、そう皆様にさらけ出す事も出来ましたので、それを踏まえて、もう少し深いお話をさせて頂きます。作品の補足にもなりますので。
まず、これは私の体験談でもあるのですが、辛くてもがむしゃらに生き抜いて生き抜いて、けれどそれがある一定の許容範囲を超えてしまうと、人って〝無〟のような状態になってしまうようなんです。脱け殻のような、〝心が上手く感情を感じ取れない〟といった状態です。
実は私、昔、綺麗な筈のものを見ても、“綺麗と感じる事の出来ない”、“可愛い筈のものを見ても可愛いと感じる事の出来ない”、そのような時期がありました。(※現在は心の機能を取り戻しておりますよ)
けれど、大きく道を踏み外す事はありませんでした。心で感じられない時期でも、替わりに頭が理解していたからです。〝花は綺麗なものだ〟〝動物は可愛いものだ〟〝命は慈しむべきものだ〟と言ったように、淡々と脳で理解していたからです。そして〝それで間違いない筈〟と、そう思う信念の強さがあったからです。心では、ほぼほぼ何も感じていませんでしたが。
──さておきそれを踏まえまして、作品の補足です。
──『ウルフがこの絵、気に入っているって言うから。……──それって、心からの“綺麗の方”かなって思って……』──
作中での瑠璃からのこの問いに、ウルフが頷いていました。
ウルフが頷いたのは、“綺麗だと感じていた記憶を、脳で覚えているから”です。綺麗だと感じた感動や、美しかった記憶を、脳で認識しているからです。
こちらが“補足”でした。伝えておきたく思い、あとがきの場をお借り致しました。
【第二のテーマについて⭐️】
Ⅰ のあとがきにて、今宵は瞳をとじてシリーズの第二のテーマは『 Ⅱ の
『僕ら手を繋いで、解り合えたら、未来は変わるだろうか?』
こちらが例の第二のテーマです。
〝皆手を繋ぎ解り合う事が出来たのなら、未来は良い方へ変わるのだろうか?〟と、そのような意味です。皆漠然と頭ではそう思っているのでしょう。けれど、それは、簡単な事でもありません。
彼らは漠然とそう思いながらも、ANGELに雇われた黄凰の面子と殴り合いをし争っています。( 防衛の為でもありますが )
──一体いつまで、誰と敵対し、誰と争い合うのか、どこまで争い続けるのか……──争いの果てはどこにあるのか、その果てに何があるのか……──
このテーマへの答えへは、完結編 Ⅲ の終盤で辿り着きます。長編ですが、よろしければ是非、最後までお付き合い頂き、彼や彼女の出すテーマの解を見届けて頂けたらと思います。 ( ※ちなみに2024/11月現在・完結編 Ⅲ 、実は後日談残しの未完です。追々まだ書こうと思っている後日談はあるのですが、思い立った時に作者がいろいろなキャラの後日談を書き加える事が出来るように、敢えて95%完結・5%程は未完のままとなっております⭐️ )
では長くなりましたが、あとがきは以上となります! 最後まで御愛読頂き、ありがとうございました! また、Ⅲ でお会い致しましょう!!
この作品を『イイネ!』と思われましたら、是非 〝☆やレビュー〟もお願い致します!!
評価頂けると、作者の活力・創作意欲・校正作業意欲に繋がります!!🙌🌟
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『今宵は瞳をとじて Ⅲ 』はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16818093085687518313/episodes/16818093085687518318
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今宵は瞳をとじて Ⅱ フルーツロールx @fruitsroll
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