第17話「海湖の主2」
「ッく!」ズオァッ!
かなりの高さを落ちたので、落下の衝撃から身を守る為下半身に魔力を集中させなければいけない。
「痛ってェ!ジーーーンってする!!」ズォォッ
「鎧なのに...?」ズォォォ
「おいテメェら気抜いてんじゃあないだろうな!」
「全くもってその通りだ」ズォッッッッッ
バズッッ!!
「グアアアアアアッ!!」ブッシャァ!!!
着地から1.8秒後、下半身の魔力を解いたグルルの膝は血飛沫を立てて粉砕される。
「フンッッッ!!!」バズァァッッッッ!!
着地から3秒後、ギュウトウが
「(ギュウトウさんの攻撃を防御する為、ヤツの両腕は空いていない。今度こそだ...今度こそッ!!)」
「(今度こそ、魔力一閃を放つのなら今だッ!!)」
着地から3.2秒後、エールマは今日三度目の魔力一閃を
「ヌゥッ!!」バジュァッ!!
「クッ!考えたなッ、筋肉や外套膜なんかじゃあ守れない"目玉"を正確にブチ抜くとはなッ!!!」
「それだけじゃない」
「なにっ」
「既に『
そして今、発火するッッッ!!!」ボッ!
「グオオオッ!"内部"から燃えてゆくぞォッ!!」
エールマは魔力に乗せて
ソーナンはこのチャンスを見逃さない。
「喰らえ蛸すけッ!!魔力を籠めに籠めまくった
最強の打撃だぜェ!!」ドッ!
「熟練者であろうデカい方の打撃ならともかくッ!
今さら貴様の様な雑魚の打撃を背中に受けた所で、
ダメージなど......ッ!?!?」ビリビリィッ!
「ただし...最強の電撃付きで、だがな」
背中にグルルを乗せ、発電機を回して貰う事でソーナンは最大威力の電撃を放つ事が出来た。
そして電撃は
そう『感電』である。
「名付けて『トールヴィンテージ』ッ!!!
この一撃は歴史上価値ある出来事になるぜェ!!」
「身体が痺れて動けん...麻痺を起こしているッ!」
「―――――――はッ!?」
「(神よそうなのかッ!?そうなのだなッッ!?
乗ったッ!今は魔力ではなく
「(我は今、神のお告げを貰い受けたのだッ!)」
ドスッ ダンッ ガッ ガガッ ンボッッ
ダダダダッ ドガァッッッ ズンッ ビリビリィ
実に18秒間、動けない
「離れろお前らァ!コイツが動けねェ内に大技を叩き込むッ!!!」
「『
ドグァァァッッッッッッッ
――――ギュウトウの能力は「喰った昆虫の力を十百神として身に宿す」というもの。
言うなれば、"憑依"だとか"神憑かり"なんかの
超常的な呪術の一種である。
そう、ギュウトウは"神社生まれ"なのであるッ!
「今宿したのは『
「
「そしてッ!見えたッ!弱点であろう、
青く光るデッケェ
ギュウトウの言う通り巨大でドクドクと躍動し、青く光る心臓部は露わになったのだ。
これは間違い無くチャンスである。
「(―――――しかし、妙に長すぎる)」
「(ヤツの"止まっている時間"が長すぎるッ!)」
「(彼らは優秀だ、あの顔から察するにもう気づいているだろう...常に
――というより動けない方が異常だという事に)」
「(実際に、
『雷に直撃したものの
とかいう事例がこの時代でも"五つ"ある!)」
「(確実で絶対なのだ、
「「「(なぜ、コイツは動かないッッッ!!)」」」
ズズッ...
「そ、その場で跪いたッ!!?」
「...やはり、"成長"というのは"絶対的"な"ピンチ"を経験し、必ず"乗り越える"という"意思"を持つ事により起こり得る神聖な出来事なのだな」
「我は今まで死に直面する事なんて無かった、
だから気づかなかったんだッッッ!!!」
ズオァッッッッッ!!!
魔力は格段に上昇する。
「気付いたッ!我の能力は、
まさに『進化の決定権』ッッッ!!!」
「なにっ」
「我の
海湖の主は、脚をゴキブリの構造に進化させる事で最速の瞬発力を得る。
その圧倒的スピードでソーナンに接近、
「グアァ!『トールヴィンテージ』ッッ!」
ヴィリリリッ!
「ん、んー効かないなァ、どうしてだと思う?」
「『
シビレエイの構造を進化によって得たんだ、
そしてお前の電気を吸収ッ!そして放電ッッ!!」
「なッ!回路が痺れ...て!動けな...!!」
「ソーナンさん!!」
「さっきのお返しだぜ、このキックがなァ」
「ま、まずいッ、俺はもうだめ...だ...ッ!
――――――チップは頼んだぜグルル...ゥッ!!」
「...鎧はもう動けまい」
ソーナンの身体は一蹴りで粉々に破壊された。
「ソーナンさァァァァァんッッッッッ!!!」
「―――――――さて...次は貴様らだ」
「なんてこった...」
無敵だ...コイツは無敵過ぎる!
[To Be Continued....]
大冒険時代:前 人生ルーキー饅頭 @coffeesoymilk114514810
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