第16話「海湖の主」
大火山の、大洞窟に住まう、大火山湖の主と、その側近は徒然なるまま迸る
主である
「戦場視察兵の報告が本当ならば、海湖突撃隊は人類に完全敗北したようだな______」
「下っ端のムシケラ共はなんて弱いんダッ!
こりゃ俺達『四天王クラブ』の出る幕のようダ!」
「
「成長とはッ!!いいか______ッ!!!??
『成長とは戦いによって生じる』という思想に基づき、私は彼らを送り出したんだッッッ!!!!」
「だが死んじゃァ意味がねぇだろうがよォ!!!」
彼の巨大な触手がヴァンタヴァンタッと暴れ回り、洞窟の突き抜けた天井穴は更に開き、乾いた夏の太陽光が暗い洞窟中を照らす。
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―――――それは戦いの合図であった。
ズゴァァッ!!!ブオオオオオッッッッ!!!
「な、なにィィ!!!」
「洞窟中が"火の海"だッ!
「死にゃァこそしないがこれはヤベェ!!!」
洞窟の入り口から最奥まで一直線に放たれた
「上手く行ったようね、正面突破の奇襲作戦。
すでに上陸、待機していた人類の猛者達が洞窟内になだれ込む。(ギュウトウ班の忍者四人は船を維持する為待機)
「ナイスだ
腑抜けた面してる海湖の主はボォボォに燃えて今にでも死にそうだぜ!!!」
「見ろ!側近達も虫の息だァ!!!」
イソサンケカムイの内通により、洞窟内部の全構造や、海湖の十百神達の役職・能力・見た目・名前は筒抜けの情報であった。
「案外、人類も勇敢なのだな」
「我も、新たな"認識"と"本気"で立ち会わなければならないな」ファオッ!ググググッ...
その瞬間、
八本の触手は四本に纏まり、人間の様な四肢に変化。鋭い眼光は赤く光り、体長は3m。
外套膜は八個重ねられたレンガよりも強固、細かいシワが刻み込まれた九個の脳は頭に集中しIQは220。三個から一個に束ねられた巨大な心臓は魔力の乗った血液を神速で循環させる。
形態変化した今の彼を端的に表すのであれば、
『頭
...とでも名付けるべきであろうか。
「まさにこれが戦いによる成長.....ッ!!」
「いわば、
「ッ!!うおおおおおおお!!!!」
「『魔力一閃』ッ!!!」バジュッッ
「ムッ、早いッ!!だがッ」パシッ
「今の我は常時ゾーン状態だ...全てが遅いッ。
それこそ音速程度の魔力弾を余裕で掴み取れる位にはな...」
現状、エールマの覚えている中で最強の技は、
彼にとって足元にも及ばない物だった。
「エールマ!!今直ぐ加勢するぞ...グオォッ!!」
バオッ
「加勢なんてさせねェ!!!」
彼らは『四天王クラブ』などというフザけた名前の側近だったが、冒険者の精鋭を足止め...更には追い詰めれる位には強かった。
また、有象無象の役職無し十百神でも数が集まれば撹乱の働きを果たした。
現に、防衛網を上手くすり抜け
「あァ...感じる...『成長』をッ...!!
こういう成長の瞬間はいつも、信念に則して生きてきて良かった...と感じるよ。」
「だから君達には敬意を示すッ、我と側近しか知らない特設リングでなッ!」ダダダダダンッッッ!!
その場の四人は勿論逃げずに彼と共に落ちる。
「エールマァ!!グルルゥ!!ソーナンッ!!」
「どうやら俺達もコイツに対して更なる成長を遂げなければ行けないようだ!気ィ引き締めろよォッッッ!!!」
ビュオオオオオッッッッ!!!
ドドドドドドドドッッッッッ!!!
ズォォゥゥァァァッッッッッッ!!!
風の音、高鳴る心臓の音、噴き出す魔力の音。
全てが後の闘いを示す様に激しい音であった。
[To Be Continued....]
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