『妖怪 ‘’かんばん‘’』 下


 おかげさまで、しまやんは、かなり儲けたのである。


 しかし、大企業側は、あっという間に、妖怪‘’かんばん‘’のテクニックを越える、しかも、はるかに大量にちらしを作る仕組みを開発してしまった。


 そいつは、絵が動くだけではなく、歌ったり、飛び出したりするのである。


 しまやんの小さな会社は、倒産してしまった。



 『どうも、お世話になりました。これ、すくないけど、退職金です。』


 しまやんは、幻の銘酒『大怪獣』を差し出した。


 『いやあ。楽しかったよ。しかし、人間というのは恐ろしいものだ。わがテクをあっさり越えるのだからな。あんた、どうする?』


 『さあ。妖怪にでもなるかなあ。』


 『なったら、かわかじらの渓谷にこい。いっしょに飲もう。』


 『そうだな。』


 その後、しまやんが妖怪になったかどうかは、まだ分かっていない。


 ただ、大企業側は、新しいテクを開発したのではなく、『妖怪‘’かんばん‘’』の同類を探しだし、大量雇用したらしいと噂された。


 さすが、としか、言いようがない。



 🍶🍶🍶🍶🍶🍶🍶🍶🍶🍶



      おわり





     🐻🐼ちゃ❗












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『妖怪 ‘’かんばん‘’』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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