『妖怪 ‘’かんばん‘’』 中


 しまやんの店は、間も無く、危機に瀕したのである。


 大手の同業他社がお得意をさらっていったのだ。


 そらまあ、安いから太刀打ちできない。


 廃業も考えていたところに、ある深夜『妖怪‘’かんばん‘’』が現れたのである。


 『ひとつ、手を組みませんか?』


 『はあ? 妖怪と手を組むのかあ?』


 『悪くないでしょう。ぼくは、コスト低いですよ。お酒があれば良いです。深酒はしません。健康に悪いからね。1日1合。それだけよ。仕事は1日3時間。週休2日。月に一回、ボーナスとしてお酒3合追加する。それだけよ。電光ちらしは、1回に一種類300枚まで可能です。ただし、同時にできるのは、3種類まで。デザインは応相談。あまりに複雑なのは、お酒1合追加。』


 『ふうん。一回試してみて、上手く行くかどうか確かめたい。』


 『もちろんです。』


 

   😳😳😳😳😳


 なんと、実験は成功した。


 そのちらしの絵は、動くのである。


 しかも、料金は格安と来た。


 しまやんの店は、大繁盛したのである。


 

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