第4話 ついにバレたが・・・

「クローゼット開けていい?」

「いやぁ・・・それは・・・ちょっと・・・」

若菜がクローゼットを開けようとしている。

開けた瞬間、俺の人生は終わる(大げさだよなぁ)


開けようとして俺をチラ見する若菜。

その顔には、何かを暴こうとしようとしている表情・・・


「開けよっかなぁ・・・」と俺を焦らす若菜はこっちをチラチラ見ている。

もう勉強そっちのけで、クローゼットに全神経を集中させているようだ。


「はい、おやつですよ」おふくろナイス!

いいタイミングで部屋に入って来たおふくろに満面の笑顔を見せる若菜。

「すみませんねぇ・・・うちの子の勉強見てくれてるのねぇ、ありがとうね」

「いえいえ。それより、このクローゼット開けてもいいですか?」

「ええ、いいわよ。ねぇ康平」

「え、あ、そっそれは・・・マズくないか?」

「なんで?なんかやましいものでも置いてるの?」

「い、いい、いやぁそういう訳ではないけど」


「お母さんからOKもらったんで、開けまーす!御開帳!」


終った・・・俺の人生も、数少ない趣味も、さよなら俺。



「ねぇ康平」

「えっ、なに?」

「妹さんと同じクローゼットなの?」

「いや?」

「じゃなんでセーラー服があんのよ?」

「そ、そっそれは・・・」

「それは?」

もはや勉強はそっちのけで若菜が俺に”尋問”を始めていたのだ。

「なんでセーラー服があるのって聞いていますが」

「いや、それは・・・」

「それはなんですか?なぜ有るのか聞いています。あっ!こんなものまで」

と言いつつ、若菜は俺お気に入りのメイド服を引っ張り出してきた。

「なぜこういう女性服があるのですか?着ているんですか?どうなんですか?

 高田被告には黙秘権はありません。正直にお答えください」もはや検察官である。


「いやぁ・・・ちょっとそれを言うのは」

「何故ためらうのですか?」

仕方ない、ことここに及んでは、もう隠すのは無理だと俺は悟った。

俺の人生もここまでか・・・


「朝比奈、聞いてくれ。実は俺の趣味は・・・」

「女装でしょ?違う?」

どうして分かったんだ???

「どうしても何も、あれだけ女性の服装があって妹さんと別の部屋と言うからよ」


ぐぬぬぬぬ・・・知られてしまったのなら仕方ない。

「ちょっと待っててくれ!」

階下にいるであろう妹の理沙にメイクしてもらうことにしたのだった。

「なぁに!また?もう自分でやんなよ。でも楽しいからいいよ、やってあげる!」


「オッケー!!いいじゃん!理沙頑張ったよ!彼女に見せてあげて!」

「ってか彼女じゃねぇし!」


仕方ない、自分の部屋に入るとそこには・・・

あっ!若菜がメイド服を!か!かっかわいい!!!可愛すぎる!!!!!

「すごくかわいいんですけど!」

「そう?気に入ってもらったかな?康平・・・く・・・ん」


そっか、じゃあ巻き込んじゃえばいいか!

「ちょっと着替えるから待っててね」

と俺が一番気に入っている白セーラー、赤スカーフにニーハイソックスをチョイス!

カーテンにくるまって着替えているのだが、外からは丸見えである。


「じゃぁぁぁぁん!白セーラーでぇす!どうこれ?」

「おおおおお!!似合うなぁ康平くん。これどこで買ってくんのさ」

「秋葉原の某ショップさ。場所は教えられない」

と言っても彼女自身、メイド服を着ているけれど、普段学校では制服のセーラーを

着ているから俺のセーラーを着たところでどうってことは無い。ってか普通じゃん。


「メイクもバッチリ、セーラーも似合ってるし。ねぇ今度これでデートしよっか!」

「ええ!デート!」

朝比奈若菜の様な超絶美しいJKとデートとか・・・

ちょっと前までの俺なら卒倒する案件だが。


「その代わり朝比奈もコスプレすんだぞ」

「いいよ!康平くんの持ち衣装貸してもらおうかな」

「OK!」


ってわけで学校一の美少女とコスプレデートに行く羽目になったのだが。



第4話 完




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女装好きが高じて女の子になる とねてつVer2 @83012086

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