第2話
のれんをくぐり、店員さんに○○大学軽音サークルの飲み会であることを伝えると奥の広い部屋に案内された個室の襖を開けると、席の半分ほどは既に埋まっていた。知らない顔も多い、先輩だろうか。知り合いを探すと見知った顔の茶髪を見つける。
「おう、佐々木、お疲れー。」
こいつは田中 啓。大学の入学ガイダンスで知り合った陽キャである。顔立ちは穏やか、性格は面倒見がよく大学内では友達も多い。正直ガイダンスで知り合わなければこいつと友達になることはなかっただろう。
「今日佐々木は二、三限だけだったっけ?」
「そう、英語となんかよくわからん教養の授業だけ。」
大学の授業には高校までのような五教科の授業に加え自分の専攻以外の学部の入門のような授業を受けさせられる。自分が受けているものだと食文化から見る世界史、などだ。まあ高校とは毛色の違う授業ということだ。ちなみにこういう授業は他学部の学生も一緒に受講するので他学部に友達が欲しいならこういう授業で勇気をだして話しかけるのをお勧めする。
「お、そっちの顔ははじめましてやな。俺の名前は後藤 奏斗、よろしく。」
「自分は佐々木健斗です。山形出身で趣味は読書です。よろしくお願いします。」
「お、自分も漫画やったら読むで。」
そのまま漫画の話で盛り上がる。後藤先輩は異世界系の漫画を読んでいるらしい。見た目的にはワン〇ースとかのメジャー系漫画を読んでいそうな感じだ。逆に田中は推理系漫画をよく見るらしい、なんか解釈不一致だ。こいつ、なんかアホっぽいから推理系とか読まなそうなんだよな。
そうやってしゃべっているうちに開始時間となった。いつの間にか半分しか埋まっていなかった席はほぼ埋まっており参加人数は40人ほどになっていた。サークルのリーダーの乾杯の一声で飲み会が始まった。
社会との距離感 高崎 猿田助 @sarudasuke
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。社会との距離感の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます