遠いところに置いてきた童心と道徳心が、振り返ると、そこにある。

基本「童話」なので、もちろん子どもにも読みやすく親しみやすい筆致で紡がれる、皮肉と哲学が入り混じった大人向けの賞編集です。

でも、後世に語り継がれる「童話」って、総じて大人が読んでも十分に考えさせられる道徳的な内容だったりするもの意外と多いですよね。

グリムやアンデルセンを彷彿とさせる、淡々としたストーリーテリングと「もしも」の世界線を繰り返して、一読おちゃらけているようで最後に読み手をひと突きするようなエンディングも読み応えがあります。

ラノベも良いけど、こういうジャンルも増えてほしいなと思う良作です。

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