第5話

『(……だれ?)』

彼は壁に背を向けて私たちに?なのか、尋ねてくる。梨花に顔を向けてみると…。

あれ?いつも男に対して甘え口説くのに、何故だろう。いつもの梨花じゃない。気がした。

いつも一緒にいたからなのか、

この異様な違和感があった。


梨「あらら〜、アナタは誰なんですか?見かけない顔ですね。」

達「俺は達久っていうんだ。

俺こそ、初めてみるお客さんだから

"初対面"だろ?それに...。」

達久は妖しい表情を抑えて、

にこやかな雰囲気で言葉を続ける。

2人『.....??』

達「そこにいる彼女の事を知ってる人がいるんだ。

その人が会いたいって言ってるんだよね。」

梨「◯◯。アイツはアンタに用事みたいだけど、面識あったの?」

○『いや、ないよ。その会いたいって人はどこに居るの?』

達「そういや...はい。これ」

達久から手紙らしきものを渡された。

達「君が迷子にならないか心配したから、わざわざお出迎えしたんだ。

手紙の印に心当たりは...??」

手紙から中のものをあけてみたら、

確かに、印が付いていた。

『あるけど...わざわざありがとうございます。』

達久に一礼して、梨花に

尋ねようとしたけれど、

"大丈夫"と言って私に背中を押した。

私は目印があるところに向かった。


梨「まさか、アンタがここに居たなんてね。相変わらず人気者なのね。」

達「君こそ、彼女に喋ってないだろ?自分もお嬢様だってこと?」

お互いは知っていた。

毎日のように互いがあるものが

一致したら、すぐ警戒感をもつ。

そう...

犬猿の仲なのだ...

横取りは許さない...。

梨「なんのつもり?」

達「なにって手助けだよ?友人のね。時間は有意義に過ごさないと、

あの子の"特別な相手"が待っている。」


梨「アンタって、キツネみたいに

ニコッニコッしてるの

気に食わない。」

達「なんでさ、僕たちは初対面じゃないだろ?さて、この文化祭を経て、お姫様と王子様は打ち解け合うだろうかね?」

梨「なに?魔法使いなの?」

達「差し詰めそうだろうね。

ボクはあの子を見た時に驚いたよ。

あの子が大切に育てる理由が。けど、気をつけるといい。彼を怒らしたら狼どころじゃすまされないかもね。」

梨「....?!」

達「この学校の大人気の王子様は、

それに囚われているのさ。

大切なお姫様が箱庭から飛び出てしまったんだ。けど、すぐ近くにある。

この欲求はとめられないだろ?」


ーちゃんと会って話すといい。

君の王子様は...

君を逃すはずがないのだからー

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約束 @rushia1004

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