第94話
2.双子と僕と蓮伽さん
しばらくすると、ゾロゾロと露天風呂から出て来た
キッチンで片付けをしていると、双子達がやってきた
【マイト、おみじゅちょーだい】
【マイト、あたちもおみじゅちょーだい、いぱーいちょーだい】
〈カ、カワイイっ・・・!〉
「ふうりゅー♡いぱーいじゃなくて、いっぱい、ね♡」
蓮伽さんが言い直した
「ボトル3本ずつぐらい渡してあげてくれる?」
「3本?!多いねー!」
「だって、龍だから(笑)」
「あ、そうか水分必要だね」
「はい、どうぞ☆」
渡すと、双子達はものすごい勢いで飲み始めた
「・・・・・、あの蓮伽さん・・・」
「ん?」
「さっき、れんな様が来て、後で迎えに来るって双子達」
「・・・・・そう、ご機嫌いかがだった?」
「とても、良かったよ」
「そう☆・・・・怒られた??」
「(笑)・・・・がっつりとね、教育的指導・・入りましたよ。」
「そっか、良かった(笑)」
「良かったの?」
「うん、良かったよ、私が言う必要がなくなったからね」
「ですね(^-^;」
「れんな様、どんなご様子だった??」
「いつも通り?あ、でも今日はとても軽やかだったかな?」
「良かった、れんな様少しはゆっくりと出来たのね(笑)」
「・・・・大変だよね、きっと。今の双子達を見ただけで思った。二人いるのは大変だよね、どんなに可愛くてもさ。」
「そうね、子どもは可愛いけど大変なのよ。しかも、龍族の血だわ。」
「・・・そうだね、ホントに。」
「それに私の子でもあるの。だから、何かあったら力になれる事はして差し上げたい。龍様にも、ちゃんとお話しして協力をして頂かないと。」
「・・・・うん。・・・・・すごいな、女性って。たくましいというか」
「うん、たくましいけどやっぱり女性として愛でて欲しいのよ(笑)そうすれば万事がうまく収まったりもするし、ね」
【ばんじゅがまうくおさるのね!】
「ふふっ、ふうりゅ、お話上手ね♡」
カ・・・・カワイイっ!
可愛すぎるっ(>_<)
【かあたまは??】
「かあたまは、まだ、とおたまとデートですよ☆」
【ひりゅーはすぐ、かあたまです。】
【ふうりゅはすぐ、とおたまです。】
蓮伽さんと思わず、見合わせた
「可愛いなぁ♡たまらん♡」
蓮伽さんは微笑ましそうにみている
「かわいいなぁ、双子達♡」
「そうね、子は尊いわ」
・・・・・・
「蓮伽さん・・・・、ゴメン、俺さ、本当に自分のことばっかで・・・」
「・・・・うん、そうね、未熟だと思う。どんなに好きでも、今の深澤くんと結婚することは出来ない。出会った時に比べて少しずつ成長しているのかもしれないけど、それでも何かあるごとにヤキモチ妬かれたら、私もしんどいし、頼る事が出来ないのは辛いの。だから、一回返した、指輪。一度、自分としっかり向き合って今後どうしたいのか考えて。結婚だけが答えじゃないと思う。子どもの事も、そう。親御さんの事もそう。私と居る事で、誰かが傷つくのは嫌だから・・」
「・・・うん、わかった。しばらくは会えないの?」
「え?結婚を白紙に、ということだけなんだけど・・・逆にその方がいいなら、そうしてもいいよ(笑)」
「それは、無理。そんな事になったら俺、ダメになってしまう。」
「そこがダメなの、執着しなくても大丈夫なのにするから。私の気持ち、信用できないって事じゃない?」
俺は・・・・・ホントにダメな奴だ
蓮伽さんに溺れている
「そうだね、ホントにダメな奴で・・・」
思わず、うなだれた
「ふふっ(笑)困ったね、子どもで。とりあえず、今日は夕方から、香取さんに会うことになったからそれまでは家で待機だって。」
えっ?!待機・・・・二人で一緒に過ごせる?!
「顔に喜びが出過ぎだよ(笑)わかりやすい。」
ホントに子どもで・・・・俺、最悪
【あ、とおたまのニオイ♡】
風龍がつぶやいた
・・・・・・・・
と、同時に風が巻き起こった
「ふうりゅ、よくわかったね、とおたまとかあたまが迎えに来たよ♡」
【蓮伽、面倒掛けましたね、ありがとう。迎えに来ましたよ】
【さ、可愛い双子達、おうちへかえるぞ♡父さまの所へおいで】
【あーい♡おうちかえう~♪】
双子達は、龍神様の胸元へいそいそと入った
【ありがとう、蓮伽。あなたにはいつも助けられていますね、感謝していますよ】
【蓮伽、いつもたくさんの慈しみの愛を感謝するぞ、】
「こちらこそ、いつもお護りいただきましてありがとうございます。今日も、久々に会った双子と過ごせて幸せでございます。」
【舞翔、あなたは蓮伽にたくさんの愛を注ぐために出会っているのですよ。そして、あなたは愛を知る。蓮伽が愛で満ちれば満ちるほど、この世が愛で満たされて行くのです。その気持ちを大切になさい。】
「・・・・はい、精進できるよう努力いたします。」
【では、蓮伽、私達は行きますね。舞翔の羽衣はまだ、預かっておきますゆえ(笑)】
「はい、かしこまりました(笑)」
【れんか、マイトもばいばい♡またね~!!】
龍神様れんな様一行は、やわらかい風とともに空に舞い、高くへと昇って行かれた
結いの約束~記憶に残る蜜の香り【北部編】 蓮華〈レンゲ〉 @renge-0216
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