一 英雄になろうとした少年

弓月ながなみ

プロローグ

少し遠く、自然豊かな街の中に広々とした公園がありました。そこには沢山の遊具と一面緑が生い茂る野原での中、大人達が見守っている中、子供達は元気よく遊んでいた。そんな中ある一人の男の子が野原の丘の上で本を開き、憧れの目で本を読んでいました。

その本はこう書かれた、

(初代魔導帝を元にした童話)

子供は国を救った魔道士のことを本当の英雄だと信じ、物語の後を想像していた。

そんな中ある女の子が話し掛けられました。

「ねえ、みんな遊んでいるのに、なんでここで本を読んでいるの?」

女の子は不思議そうに言った。

そして男の子は本をそっと閉じこう返した。

「あぁ、そうだったね。どうやら僕はこの話を長く読みすぎたようだ。」

「長い所じゃないよ。私が見た限り、君は昨日も見ていたし、一昨日も見ていたよ。」

女の子は驚いた口調で言った。

聞いた男の子は本を左の脇に抱えて、右手で頭を掻いた。

「そうだったかな、あんまり覚えていないや。」

「そうよ、クラスメイトのみんなでパーティをしようとした、君にも誘っている子見たけど、本から目を離すのが大変だったと聞いたよ。」

からかうように女の子は冗談混じりで言った。

「もう思い出させないでくれ、まるで僕は変な人だって言い方じゃないか。僕だってただ少し集中しすぎなところがあるだけだ。」

男の子は本を丘に置き、腕を組んで不満そうに言った。

「じゃ、今度パーティも参加してくれる。」

「あぁ、参加するとも。」

二人は少し笑みを浮かべながらみんなと一緒公園ではしゃぎ回った。


時がたち、やがて本を読んでいた男の子は成長し、少年になり、本の中にいる英雄に憧れ持ち続けた。

やがて少年は英雄を目指すことになった。


昔ある一人の古き英雄が誕生する。

その男の名は初代皇帝エべラート・アレグランダー。

彼は容姿に優れ、白銀のような短髪でありながら、服には黄金の飾りが施されていて、身長高く肉体は頑丈、彼が発する声は力強くはっきりとしていた。頭頂部には聖遺物“皇帝の冠”がら少しばかり浮き、十二個正八面体の光が円形上に均等に並べられ、時計回りでゆっくりと回り続ける。


彼の性格は優しいく温情ある人てあり、騎士精神も持っており。彼は征服した国の人を自分の臣下にしたり、自分の側近にする。

それ故に彼はさほど初期にいた臣下たちにさほど慕われていない。


彼は小国ベラード公国出身の身でありながら、ラヘード地域周辺を統一し、今に残る魔導帝国の創立者、彼は聖遺物遠征を最初に成功させた人であり、魔導騎士団を創立し、魔法を扱う軍隊を作り出し、エベラードは二度の遠征を成功させ帝国の繁栄を約束させた。


ラレード地域を統一し、ラレード王国として建国した後、自ら“魔術の祖、全ての源”と称して、魔導帝として即位した後皇帝は第一次遠征を開始、帝国に東西から挟まれた二カ国に宣戦布告をした、一方は西の騎士道精神ある西国、もう一方は長弓を巧みに操る東国。王国はまた統一したばかりであり、戦争の傷もまだ残っていると誰も信じていた、だがその予想は覆すことになる。


冬の雪が溶け、泥濘が解消された。春の三月十日。

皇帝は二カ国の連絡線を断つためにハッベース地方に向かった。それを察した両国は軍を集め対抗しようとしたが、二十日、皇帝軍はルバドスにて東国の軍を釘付けにした。

本来両国の軍隊が集合して立ち向かうはずだった、それ故に東国軍は小高い丘陵の近くに防衛拠点を継いた。

二十一日の朝、轟音が戦場に走る。魔術を使い杖による射撃である。


東国は森に囲われ生活しているため、木の活用は長けていて、籠城戦は得意の戦法だ。東国は皇帝軍の魔術の射撃は知っており魔法防壁も築いて、損傷は軽微だった。

今回東国軍はも帝国も軍そして西国軍もお互いのことを調べ上げており、お互いの得意ことはもう知っていた。


射撃は最初こそ激しいものの淡々と弱まっていった。正午前になると射撃は止まり、静かな昼飯を食べられると、思っているのもつかの間、丘は度重なる衝撃で土砂崩れが何箇所で起こった、これは丘陵に拠点を構える東国軍多くははなすすべなく皇帝軍に蹂躙されたが一部丘陵から離れた部隊や最後まで抵抗した親衛隊は激しい抵抗を続けた。

激戦の中、本面に西国の旗が見えたと、報告が同時に入ることになる。


西国軍の遅れた理由として農民の反乱とされる、元々この一帯は度重なる西国と東国の戦争で荒廃しており農民達は不満を募らせていた、帝国はこれを使い西国の遅延を使ったとされる。


情報を聞き入れ皇帝は部隊の大部分を率いて西国の軍隊に向かわせた。残った部隊は東軍と戦い続けさせた。

正午の三時過ぎ、帝国は河に沿って進軍していた西国軍見つけた。

両国軍は川の両岸で布陣して、睨み合いが少し続いたが西国軍は帝国の隙を掻い潜り川を渡った、それか一番の悪手だと知らずに。

西国軍はまだあるかもわからない東軍を探す、たか後ろには追いかける皇帝軍。農民の反乱や渡河の疲れもあり、進軍の速度は遅く、皇帝軍はすぐに追いつけることになる。

西国軍は仕方なく布陣し、向かい打ったが。東国軍の残党を壊滅かせた帝国軍は、本隊と合流すべく、東国軍の軍旗を携えで、西国軍の背面に丁度現れることになる。

そしてほろほろになった東国軍の旗を見て西国軍の兵士達は混乱状態に入ることになる、指揮系統が混乱し、脱走兵が出ることになった。

そんな中、帝国軍は容赦なく追撃をかけ、西国軍は壊滅し、ルバドスの戦いは帝国軍の勝利によって幕を閉じることになる。


けれど帝国軍は勝利に酔いしれる時間は無かった。この戦いの一年後、帝国を脅威の対象とした十七国が対帝国包囲網を形成した。


時が経ち対帝国包囲網に参加いた、国々は防戦派と交戦派に分かれた。

防戦派は皇帝の管理能力を疑問視して、あまりにも大きい地域を管理することはできないと主張した。まだたとえ立ち向かっても言語の問題で連携できないとして交戦派を否定した。対策として都市を覆う巨大な防御陣地を形成した方が良いとした。

一方交戦派は将軍や故郷を追いやられた貴族達であり、包囲網を拡大し、武力を使い帝国軍を打ち破ると主張した。我々にはその力があるといい、守っていてはいずれ破られると防戦派を否定した。


包囲網勢力が結論が出せないままている中。

皇帝は次に行われる第二次遠征を行う地域を発表した、これは包囲網勢力を挑発するような形で大々的に発表された。

宣戦布告は開始され、初期は両軍は揃い始めたが、双方睨み合いをして解散することが多かった。

皇帝側は包囲網勢力の防衛拠点が多く、山や川に挟まれていることが多く、また防戦派の魔法防壁が硬く、戦いで兵士達を消耗させたくないと考え。

交戦派は数が少なく、下手に攻めたら全滅しかねない、が血気盛んな将軍が多いため睨み合いの最中に、自らの少数精鋭を率いて勝手に突撃することが多かった。

そしてアドラベ地方で本学的な戦いが行われた。


夏の七月二十四日早朝

ノーピュホォにて両軍は再び睨み合いが続くそんな中、交戦派はついに防戦派の一人を説得し、昼頃に到着し、数の優位を得ることになる。

一方帝国はそんなことを知らず新しい兵器を試すことにした。


帝国軍は最初に動いた、挑発行為として双方が弓矢で撃ち合う中、轟音が走る。

双方の兵士が驚き、視線を合わせた先にあったのは煙から車輪に乗せた鉄出てきた筒状の入れ物が赤く光っていた、その轟音は凄まじく遠く離れた皇帝のいたテンドまで響いていたとされた。


その一方では、包囲軍側は陣形を守っていた、防御魔法は吹き飛ばされ、なにかの破片が飛び散り、血を流し倒れる兵士達はその威力を身をもって知ることになる。

包囲軍は急いで状態を確認するが轟音は続く、

一枚、一枚と防御魔法は破壊され続けた。けれどそれは七回目で止まる。

破壊した防壁半分以下であり、優位はまだわからないままだった。

三十分後魔法防壁は復元された、包囲軍の将軍達は安堵する、たが安堵しているのもつかの間。


帝国軍は轟音を囮にして、隊列の左翼、右翼から圧力をかける。そして彼らは皇帝が自らの手で育て上げた魔導騎士団であり、魔力で覆われた剣を持ち、盾は帝国の紋章を表に刻んでおり。全身や馬にも薄い甲冑を着ていて、それらを魔力でそれを補い、槍はその薄い装甲を貫通することもできないほどだった。

この戦いによって騎士団の名を轟かせた戦いでもあった。

その突撃の勢いは凄まじく修復されたに思われた防壁は容易くも砕け散り包囲軍の両翼は崩壊数前だった。


それを見た包囲軍は予備の部隊を使い増援に向かわせる、なんとかして両翼の崩壊を避けたかった、幸いなことに部隊を投入した後、両翼にいた帝国軍は後退気味であった。それを包囲軍は好機と見て部隊の増援を急がせた、皇帝が仕組んだ罠と知らずに。


後退する騎士団、増援として双方の軍隊は徐々に戦いに参加し、戦いは白熱になっていく。そんな中、帝国中央にある部隊の姿を見せる、それは皇帝が率いる親衛隊の姿だった。

「兵士達よ!帝国の偉大さを示す時だ!」

皇帝は叫んだ、自分の剣を振るい、戦馬を走らせ自ら戦場に出向いた。

皇帝は薄くなった戦列中央を突破し、包囲軍本部に突っ込んだ。

これよっり包囲軍は崩壊が確定し、ノーピュホォの戦いは帝国軍の勝利で終えた。


そして交戦派の包囲軍の敗北は近くまで進軍していた、防戦派の将軍まで届き、その惨劇を見て率いていた部隊と共に降伏を申し入れることになった。


その後遠征中、首都で厭戦感情が高まり遠征は終わることになった、だが残存勢力がまた東へ逃れ、帝国に抵抗し続ける勢力がまだある噂広がったが、物資の略奪や小さい襲撃だけに留まった。


外敵がいなくなると皇帝は七つの都市を創された。


新しい帝都 ウィーセンブルク

学業の都市 シュウラフィ

芸術の都市 ルネサンドーラン

商業の都市 メーヨベネファウ

工業の都市 ルーペア

魔術の都市 ヘクスハーウ

信仰の都市 エルサディア


それぞれ、

六人の側近にそれぞれに都市権限を与えた。

都市を造らせた際、部下たちは人と金の無駄遣いだと皇帝に伝えたが、皇帝は彼たちの発言を無視した。

都市が完成した際、皇帝は七つの都市にそれらの専門の権力を与え、種族、宗教の自由、そして各都市に七つの専門の自由があった。


そして皇帝は残りの半生は七つの都市を一望することができる、ラピンゼェ宮で帝国を繁栄に導いた。

だが皇帝の亡き後、人族と外から来た六つの種族精霊、竜人、魚人、ドワーフ、エルフ、獣人達との衝突は増えた。主に皇帝が築いた七つの都市内での言い争いが増え、暴動が度々行われることになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

一 英雄になろうとした少年 弓月ながなみ @YumitukiNaganami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ