第4話 火蜘蛛ダンジョン

俺達は宿から出ると、セーナの登録をするために冒険者ギルドに向かった。


「セーナ様ですね。では、このステータスカードに血を垂らしてください。ツクル様の奴隷ということで、説明は省略させていただきます。」


セーナを登録したあと、俺たちはCランクダンジョンの「火蜘蛛ダンジョン」へ向かった。

実は、オークを倒したことで、俺はDランクまで昇格することができたのだ。

まずは、通り道に出てきた魔物で、セーナの実力を確かめてみても良さそうだ。

今朝、セーナを「創造:鑑定」すると、スキル「創造:武器生成」が新しく生まれていた。

スキルは変化新しく生まれるものなのか。

ステータスカードには、レベルと基本ステータスの、パワー、防御、俊敏、魔力、生命力しか表示されないのが残念だ。

俺のステータスは、


 レベル:6

 パワー:52

 防御:47

 俊敏:63

 魔力:∞

 生命力:128


全てのステータスは平均50と言われいるため、これは高い方だろう。

魔力が∞なのは、勇者補正なのか?



火蜘蛛ダンジョンへ向かっていると、Dランクの魔物である、ラッシュボアの群れに出会った。

セーナの実力を試すために、セーナに相手をさせたが、圧巻だった。

剣を魔力で覆い、爪のように鋭い切れ味にし、


「爪剣剣術」


スキルによる斬撃で一網打尽にした。

やはり、セーナは強い。

しかも、「獣化」や「獣神化」を使うと、どうなってしまうのか。

俺よりも強くなりそうだ。

ラッシュボアの残党は、俺が魔法で倒したが、そのうちの一匹には、興味深い紋章が刻まれていた。


「これは…!?序列7位の魔王、スロースの紋章!」


魔王が動き出すのはまだ先のはずだが、何かが起こりそうだ。


火蜘蛛ダンジョンにはいると、ダンジョンの名前の通り、火蜘蛛が大量に湧いていた。

セーナが剣で切り刻み、俺が魔法で倒していった。順調に進んでいると、あっという間にボス部屋についた。

このダンジョンは、多すぎる火蜘蛛によってほとんどの冒険者が避けていたため、スムーズに進んでいた。

そして、ボス部屋に入ると、ダンジョンボス「獄炎の蜘蛛」がいた。


「創造:鑑定」


をすると、他の魔物とは桁違いのステータスを持っていた。

火蜘蛛たちのステータスが全て40ほどだったのに、

獄炎の蜘蛛は全てが200を超えている。

ランクで表すと、BランクからAランクの間と言えるだろう。

ゲームで戦った時は、これほどまでのステータスはなかったはずだ。

何かがおかしいとじっくり見てみると、「状態異常:魔気中毒」があった。

「魔気中毒」とは、魔族や魔王がかけることができ、魔物のステータスを上昇させ、魔気を操るスキルを与える。


「これはまずいな…」


これじゃあ俺の初期魔法じゃ大したダメージは与えられない。


「はぁぁぁぁ」


セーナが剣術スキルを使っても、傷を与えることができるが、強化されたステータスにより、すぐに回復される。


「どうすればいいんだ!?」


ダンジョンのボス部屋は、一度入るとボスを倒すまで出られない。


「くそ、セーナ!全力でこいつを倒すぞ。」

「はい!」


俺達は、こいつを倒すことができるのだろうか…

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異世界転移したら捨てられたので、先に魔王を倒します!〜ハズレスキル『創造』で世界最強〜 @a_ru37

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