ではあなたに「問いたい」

秋犬

ふははははは!

 わりと頻出するフレーズの話。


「では、これを読んでいるあなたに今問おう」


 これさぁ、よく見かけるの。で、読んだ瞬間なんかムカつくの。なんでムカつくのかなあって思ったことを書いていくよ。


 端的に言えば、なんか作者が急に馴れ馴れしくなった感じがするからかもしれない。


 こんな風に砕けた文体でスチャラカなこと書いてても、多分読者って「こいつアホやなー、そんなんだから連休中のゴミの日間違えるんやで」とか思って読んでると思う。なぜなら、今読者はここでスチャラカしてる人を見ているだけなのですからね。言うなれば、ライブにただ来てる状態。そんな感じ。


 でもさあ、こんな状態で「じゃあさ、ジブンとりあえず表題について何か意見があったら教えてくれへん?」みたいなこと急に言ってきたら「はあ? ︎︎こいつアホやろ何でボケっと読んでるときにいちいちお前の謎かけに付き合わなあかんの」ってムっとするわけ。


 あくまでも読者は観客であって、受講生ではないのよ。ライブで盛り上がってたら、いきなり「ではステージに来てください」ってマイク渡されるような気分、が近いかな。では何かを指南するタイプの文章ならいいかっていうと、そうでもないと思う。


「美味しい本物のカレーはどう作りますか?」

「では問おう、本物のカレーとは何か」


 ほらー、海原雄山チックにしただけでめっちゃムカつくじゃん。こっちは答えが知りたいから読んでるわけであって、さっさと「美味しいカレーとは国産のスパイスを作った最高級品だ」みたいな答えが欲しいのよ。美食倶楽部ごっこをしている場合ではない。


 そこで、雄山を柔らかくするとこうなる。


「美味しい本物のカレーはどう作りますか?」

「本物のカレーと言っても様々な種類のカレーがあるけど、どんなものを想定する?」


 ほら、煽り感めっちゃ消える。


 多分「問う」という言葉がかなり強いのだと思う。


「どう思う?」

「何か問題?」


 似たようなフレーズでも、使う言葉によってニュアンスがかなり変わってくる。こう言ったことはよくあるので、いろんな言葉を知ってる人が何かを書く時に有利です。いろんな言葉を勉強しよう!


 さて、「なんか強い言葉と最初に言った馴れ馴れしいってどういう関係?」と思った人いませんか?


 それでは問いたい。「馴れ馴れしい」とは何か。


 いやー、エラそうですね。

 海原雄山くらいにならないとこの台詞は使えない。


 なんと言うか、この台詞からは「ワイの方が立場は上や!」みたいな印象を受けることがある。


 では問いたい。何故そのような言葉を用いて平然としているのか(しつこい)。


 何でだろうねえ。


 それでは問うが、至高のエッセイとは何か?


 知らない知らない!

 もう海原雄山ごっこは終わり!


 その程度の質問にも答えられず、エッセイを書こうなど百年早いわ! ︎︎せいぜい下卑た短編でも量産して負け犬の遠吠えでも録音しておくことだな! ︎︎ふはははは!


 畜生……「このエッセイを書いたのは誰だぁ!」って言わせたい……脳内雄山め……。


 <まとまらないので終わり>






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ではあなたに「問いたい」 秋犬 @Anoni

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