概要
「もう、殺して」被害者にそう言わせる残虐性に考慮する点はない。
司法解剖の結果、顔は原型が分からないほど腫れあがり、両手両足鋤骨はなど全身の骨が骨折し、下半身はやけどやドリルの損傷であまりにも無惨だった。恐怖の影響により脳は半分ほどに収縮し、溶けていた。胸には針が何本も刺さっていた。髪や歯は全てなく、胃腸にはムカデやゴキブリ、大量の埃やゴミ、ペットボトル二本や大量の精液が入っていた。その残虐非道さは世間周知にはあまりにも酷過ぎた。しかし、その悲惨さを隠蔽しては被害者の苦しみと事件の重大さを周知出来ない。出来なければ同じような犯罪が起こる。人間の欲望は、常軌を逸脱すると集団意識と相まってとんどもない凶器となる。少年たちは言っている。被害者が弱かったからだ、強ければ襲いもしない、と。国が防衛力に力を注ぐのは犯罪者の意識の高ぶりを抑止するためだ。そして、少年たちは「俺は悪くない」と嘯くのだった。
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