芝居がはねると
@siho2714
第1話
「寿曽我対面」
曽我兄弟仇討ち事件で2人は結局のところは討ち死にしてしまう。
歌舞伎は登場人物の結末を知りながら、そこに至るまでの過程を楽しむ演目だと思う。そしてしっかりとは終わらない。
そこが私は好きだ。
1月5日歌舞伎座。1月だからなのか着物の人が多い。値段の関係上自分は洋服。
着物だといろいろ気になってしまい演目に集中出来ないかもしれない。
演目が終わった後暫くぼーっと席に座り感想を文章化する時が1番生きてて良かったと思うものの退館を促されてしまうので、席を立つ。
1階ロビーに降りて出口に向かって歩き出した時頭に硬い物が当たって硬い物を掴む。
「いった…」
手を広げると1両だった。
「…劇場スタッフさんへ持って行くか」
劇場スタッフさんへなんちゃって1両落ちて来たので誰かのグッズかもしれないですと言い手渡す。
お怪我はございませんでしたか?と言われたので怪我して無いですよと笑顔で歌舞伎座を出る。
夜の歌舞伎座前はタクシーの列だと前を観ると人力車が列をなしていた。
「流石、お正月だから松竹さんもやるねぇ。」
でも私は東京メトロ銀座線や日比谷線で帰る。
「姉ちゃん!乗ってかねぇのかい!?」
威勢のいい声だなと人力車の人を観ると格好まで和装でスタッフまで凄いなと笑顔で遠慮して駅乗り場を探すも何処にも無い。
そして変な事に気がつく。
江戸時代のような雰囲気で建物も、人も着ている服までも江戸時代。
「姉ちゃん!大丈夫かい!?」
腕を掴まれた時自分も和装をしている事に気がつく。
「…私はどこに来ちゃったのですか?」
「木挽町」
「東銀座では!?」
「だから木挽町。」
どうやら江戸時代にタイムスリップしてしまったらしい。
「あぁぁ…やってらんねぇ!!」
「何処の子だい?」
芝居がはねると @siho2714
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。芝居がはねるとの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます