第2話 転生

「あれ?ここは…」

辺りを見わたすと、

僕は全く知らない部屋のベットで寝ていた。

寝ていた体を起こし、

部屋中を見わたして歩いていたら

一つの鏡に僕が写った。


(え!?…だれこれ!!)

と思っていた時、ものすごい頭痛と共に

頭の中で映像が流れてきた。


「な、に…これ、。」

その映像は赤髪は父親似で

青い瞳は母親似の両親に囲まれて

話を聞いている小学六年生くらいの男の子が

「僕!冒険者になる!」と言っていた。


そこに賛同した母と父は

「十四歳になったらね」

と男の子に言ってるのを見た。

僕はその時、頭の中に

一つの本が思い浮かんだ。

(これ、僕が大好きだった本の話に似てるじゃん!!)

そう思った僕は頭痛も減り、

頭の中が一気に整理されていった。


「そうだった…僕はセトリーヌ様に転生させてもらってそこから意識がなくなったんだった。そして、今僕はシエル・ジークハルトとして生まれ変わったんだ………だからこの姿だったのか……」


そう鏡を見ながら僕はシエルを見つめた。

身長は平均で目が大きく鼻が小さい。

はたから見たら女の子と間違えてしまうほど

可愛い男の子がそこにいた。

その姿をみて僕はため息を吐いていた時、

扉がガチャっと開いた。


「シエル、体調どう……って!なんで寝てないの!?」


と、叫ぶように母親の

ミシャ・ジークハルトが僕にそう言った。

僕の母親は金髪青眼で

優しい雰囲気をまとっている女性だから

怒っているのが珍しくて

びっくりしてしまった。


「僕、寝て元気になったし、もう体調は大丈夫だから部屋から出ようと思ってたんだ!」

「そ、そうなのね……ならよかったわ。」

「それじゃあ僕、もう元気だからちょっと外に行ってくるね!」

「え…!?シエル……!!」


そう母がなにか叫んでる声が聞こえたが

僕は聞こえないふりをして家を出た。







*********






「ふぅ…ひとまずウィルに会いに行こう!」


ウィルこと、ウィル・ダーウィンは僕…

シエルの幼なじみで気だるげそうだけど

心配性な子だ。でも、頼りになって

僕からしたら兄みたいな存在なんだ!

そう思いながらウィルの家に向かっていると

深緑色の髪をした少年と目が合った。

そしたらその少年は走って僕の元に来た。


「シエル…!!なんで外に出てんだよ!」

そう言いながら僕に抱きついた。

「いや、元気になったからウィルに会いに行こうと思って…」

「それでも、まだ安静にしててよ…ほら、家に帰るぞ」

「わかったよ…だけど!僕と一緒に冒険者になってくれなきゃ帰らない!!」

そう、僕がわがままを言ったら

ウィルはキョトンとした顔で僕に言った。


「何言ってんの、オレもついて行くにきまってるじゃん。前にシエルが冒険者に誘っくれたんだぞ? てか、シエル一人で冒険者させることオレがすると思う?」

「!…思わない!」

「なら、それを含め言わないといけないな」

「そうだね!」

そう当たり前のように言うウィルに

僕は嬉しくなってニコニコしながら

ウィルと一緒に僕の家に帰った。


「ただいま!」

「シエル!!話も聞かず急に出ていくからびっくりするじゃない!」


そう母に言われて僕は

しょんぼりした気持ちになった。

それでも僕にとって外に出れたことが

何よりも喜びだったのだ。


「もう身体は平気なの?」

「うん、ぴんぴんしてるよ!ほら!」

そう言って飛び跳ねてみたのを見た

母とウィルは安心した顔をしていた。

そして僕はウィルも居るし

ちょうどいいと思い母に直球な相談をした。


「お母さん、僕ね!ウィルと一緒に冒険者することにしたの!」

そう母に言ったら母はびっくりした顔をして

ウィルを見つめて言った。


「……ウィル君はそれでいいの?」

「はい、大丈夫です!」

そうウィルが答えて、少し考えてから

母はボク達に言った。

「なら、私達は二人の気持ちを尊重するわ。ただ、ギルドの注意はよく聞く事ね?」

「!…わかった!」

「わかりました!」


そして。月日が流れ、二年が経った…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界転生した僕はのびのび冒険者をする 夜白にこ @yasilo_25

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ