第5話 インスタ

文化祭も終わり、行事ごとにひと段落ついた。

遙香と一緒に学校へ行き、


「おはようございます」


大きな声で挨拶をした。

ホームルームが始まった。


(担任話長いな〜)


いつものことか。


ホームルームが終わり、1時間は移動教室だったため、遥香と一緒に移動していた。

その時、遥香から


「ゆあはインスタやってるの?」


この問いに私は


「やってない」


と答えた。


その後、遥香から


「颯くんインスタ始めたらしいよ〜」

「ゆあもやったら?」


そういわれると、私は早速インスタを入れたくなった。


1日の授業が全て終わり、下校中。

ふと頭に朝の移動教室での会話が浮かんだ。


(インスタ入れないと)


私は早速インスタを入れた。


(颯のインスタは…)


颯のインスタを見つけフォローリクエストを送った。


(フォロバされるかな?)


少し心配だった。


次の日、インスタを開くとフォローリクエストが20件きていた。

その中に颯からのフォロバはなかった。


(あ〜やっぱりまだフォロバきてないか〜)


少し気持ちが落ち込んだ。


学校に登校中、颯のインスタの話は一瞬にして噂になっていた。


(颯の事ってこんなに噂になるの早いの〜颯ってすごいな〜)


少し関心もありつつも心の奥底に寂しさもあった。


授業も何事もなく終わり、下校中スマホに電源をいれインスタを開いた。


(あ〜まだ颯からフォロバきてない)


(無視されてるのかな)


いや、そんな事ない。


(気づいてないだけ、気づいてないだけ)


心にそう言って気持ちを落ち着かせた。


私はインスタを見るのをしばらくやめた。

インスタを見ると悲しくなるだけだからだ。


そこから3日の月日が経ち、久しぶりにインスタを開いた。

フォローリクエストが34件。

颯からは…


「きてる!」


思わず大きな声を出してしまった。


嬉しすぎてその日の学校の授業の内容は全く頭に入っていなかった。

学校が終わり、下校中


(DMを送ろうかな〜)


(いやいや、そんなことしたらキモイやつみたいになっちゃう)


そんなことを頭に浮かべながら下校をしていた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の好きな人には好きな人がいる @kamami0805

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る