桜姫、小さな龍の姫君の恋と冒険の物語・後書き

相ヶ瀬モネ

桜姫、小さな龍の姫君の恋と冒険の物語・後書き

 ジョン・エヴァレット・ミレーの描いた、「オフィーリア」彼女が流れゆく川に浮かぶ花々には、ひとつひとつに意味があるといいます……わたしは、眠りと死の象徴である「赤いケシの花」をじっと見つめ、心も命も失って青ざめた、静謐で美しい彼女のかんばせに視線を移し、ひたすら彼女の死を悼むのです。


 それから、様々な悲恋の姫君を思い浮かべ、割り切れることのない「やるせなさ」に、歯を食いしばるのです。どうしようもない。物語であれ、過去のことであれ、時計の針は逆さには回りはしない。そして思うのでした。


『くやしいなら、書き換えちゃえば、いいじゃない?』


***


 おかげさまで、ようやく短編小説(わたしにしては!)「桜姫、小さな龍の姫君の恋と冒険の物語」が、ようやく完結致しました。


 小説を書き始めるときに、「タイトル、キャッチコピー、紹介文」それらを用意する訳ですが、わたしは、それが大変に苦手です。(あと、レビューが下手で、いつも書き逃げ状態で、誠に申し訳ございません……)


 本文や内容は、出来不出来、誤字脱字は別にして、(それ、かなり大事……)そうでもないのです。


 わたしの書く小説の内容と言えば、前出のように、ほぼほぼ、「復讐系ハッピーエンド」なのですが、この桜姫は、理由はあれど、途中かなり休載してしまうほど、色々と四苦八苦しておりました。


「元気印」で、「意気揚々」と、物語を突っ走る彼女でしたが、やはり抱えている暗闇は、ないはずもなく、彼女は、ひたすらに、ひとり痛みを胸に抱えて、世界を彷徨っていたのでしょう。そして見つけた安寧の場所。最愛の君。


「溺愛」がテーマのコンテストに応募はしておりますが、おそらく、「女主人公が溺愛する」ではなく、「女主人公が溺愛される」が、テーマなのはと思われます……神様、な、なんとか……ならないでしょうか……


 うちの姫君たちは、選りすぐりのばかりなので……こんなことに……


 わたしが書く中で、唯一、たぶん(物理)なのは、地獄の根暗、「パープル式部」ですが、(和泉式部に暗器を投げられる有様です)……どうなることやら……その他は、受けた仕打ちを、倍返しするような姫君? が粒ぞろいのそろい踏み……いつか、みんな幸せになりますように……そんなことを思いながら、ひとまず桜姫を書く筆を置くのでした。


「“伍”——わらわを、運んでたもれ——」

「もうカゴに入る大きさじゃないんですよ……」


 姫君を必死で、お姫さまだっこして、反橋まで運ぶ“伍”なのでした。


 長いお付き合い、ありがとうございました……彼女との出会いが、次のステップへと繋がりますように……


 2024年9月吉日 「和泉式部日記」と、「ハプスブルクの食卓」を、交互に読みながら……




 

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桜姫、小さな龍の姫君の恋と冒険の物語・後書き 相ヶ瀬モネ @momeaigase

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