勿忘草
古澄 月
「 」
涙は気付かない。触れようとしても、僕という存在を置いて何処かへと消えてしまう。年に一度、彼女とここで、そういうやり取りをする。そして最後に、石の上に花を咲かして、彼女は去っていくのだ。この鮮やかな涙色の意味を、僕はどうしても思い出せない。それは確か、僕が最期に、貴女へと贈った花だった筈なのに。
勿忘草 古澄 月 @pamumon
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