ファートム 未来への道

@13Lambda

episode.0(1/2) 「ファートム」

2158年  7月25日 Tuesday


愁「はぁ...」


愁は窓を見つめながら何度目かもわからないため息を吐いた。


2155年2月23日。突如として現れたDA2と呼ばれる機械生命体に町を、世界を攻撃されてから、全てが変わったあの日から3年がたった。


アリス「どうしたのーそんな暗い顔して。なんかやなことでもあった?」


アリスは愁の幼馴染であり血の通っていない妹である。

彼女は愁に明るい声でそう尋ねた。


愁「何でもない」


愁はいつも通りの返事をする


アリス「ねぇねぇ愁ー」

 愁 「なんだ?」

アリス「今度の日曜日にさー、近くの公園でおっきいお祭りがあるんだって!」

 愁 「祭り...」

アリス「でさでさ、愁も一緒に行かないかなー。なんて思ったんだけどどうかな?

?」

 愁 「僕はい」

カリナ「いいじゃない!」

断ろうとしたところでカリナが話に割り込んできた。恐らくキッチンあたりから話を聞かれていたのだろう。カリナは僕たちの両親の様な存在であり僕の実の姉だ。


カリナ「お祭りなんてめったにないんだし。あんたもたまには外に出てたの体を動かしてきなさいよ」

アリス「ね?カリナもそういってるんだしさ!」

アリスは期待に満ちている目で愁を見つめた

 愁 「...」

愁は深く息を吸った後吐き出すようにい言った

 愁 「わかった。いっしょに行ってやる...」

アリス「やったー!」

 愁 「ただし、僕がつまらないと感じたら僕だけでも帰るからな!」

アリス「はいはい、わかってるって~」

 愁 「本当に分かってるのか...?」

アリス「わかってまーす」


アリスは満面の笑みで自分の部屋に戻っていった。


 愁「...」

カリナ「もぉー、またそんな顔して。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2158年 7月30日 Sunday 19:36


大勢の人で公園が賑わっている

 愁 「...」

アリス「さぁ、ついにこの日がやってきた!」

 愁 「うぅ...」

アリス「ど、どうしたの!?」

 愁 「お、お前...僕がうるさいところが苦手だってしってるよな...!?」

アリス「うん。知ってる」

 愁 「じゃあなんで連れてきたんだ...!?」

アリス「だってぇ、一人で行くなんて寂しいじゃ~ん?」

 愁 「意味が分からない...」

アリス「いいから、いいから~」


アリスが愁の腕を引っ張り人ごみの中に入っていく


ーーー


21:30 中央広場

愁とアリスの二人は中央広場を歩いている

アリス「あともう少しで花火始まるんだから早く~!」

 愁 「わかったから、まってくれ!」


二人が花火会場に着くと同時に七色の花が空に咲いた。


アリス「わぁ~!キレイ~!!」

 愁 「おぉ...」

アリス「ほらね来てよかったでしょ?」

 愁 「...そうだな」


花火の音が空いっぱいに満ちる


 愁 「は?」


「ドゴォォォォォォォン!」

爆風と共に二人が吹き飛ばされる。

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