倉庫作業員

@kawakawatoshitoshi

第1話

 俺はしがない倉庫作業員。

 倉庫の仕事など、だいたいどこも同じだ。


 荷物が入ってくる、検品する、棚に保管する、その日に発送するブツを棚から持ってくる、梱包する、発送する。


 ようするに、口から入れる、胃に流す、ケツの穴から出す。


 似たようなものだ。


 ある時、暇なヤツが万歩計でどのくらい倉庫の中を歩くのか計ったら、19キロも歩いていたらしい。まったく...。


 それでいて、この倉庫作業って仕事は、あらゆる仕事の中で給料が1番に近いくらい安い。

 割に合わない仕事を何故してるのかといえば、他に出来ることがないからだ。


 大体は自分と似たウスノロが揃っているが、たまに何でアンタみたいなのがこんな所にいるんだ?という人間もいる。

 きっと、何処かがイカれてるのだ。残念なことに。


 あぁ、そういえば、かなりイカれたお嬢さんが、働いて1日目の途中で帰らされたこともあったっけ...。


 俺はといえば、鬱々と救いのない日々をウロウロ疲れ切って歩いている。


 耐えきれなくなり、ブチ切れて、咆哮し、パレットを投げる。


 呼び出される。


「次はないよ君。」

 と脅される。


 救いがないのだ。


 どうせクビになろうが、自分で辞めようが、次にやるのも、似たような仕事なのだ。


 何も変わらない。


 俺が歳を取ること以外は。


 アーメン。


 おっとキリスト教でもなかった。






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