第2話 計画


跪く14人の側近達に立ち上がるように言ったルカは、今後のことについて話し合うことにした。


「ここは、アルゴリアとは別の世界らしい。

この世界は地球と言って、俺達アルゴリアの生命体は、この建物に閉じ込められているようだ。」


ルカは、能力にある全知で今居る世界についての知識を引き出した。


「ここでも俺達の持つ能力は使う事が出来るようだ。

正直に言うと、今すぐにでもこの建物から出て、この世界の人間共を殺し尽くしたい所だが…俺達はこの世界の人間について何も知らない。

だから、ふたつのグループに分けて外に潜入し、この世界の人間の善悪を見極めて、滅ぼすか共存するかを決める」


ルカは、怒りに震える手を無理矢理押さえつけ、グループに分ける為に、ルカ達の能力を再確認することにした。


まず、ルカだが、ルカはアルゴリアを作り出した創造主であり、能力も"全祖"というもので、アルゴリアに存在する全種族の固有能力や身体能力や、ルカの全祖のような能力を全て保有し、姿もアルゴリアに存在するいずれかの種族の姿に変えることが出来る。


次に、イザナだが、イザナは俺が創造と破壊の力を渡した神の1人であり、七つの美徳の知恵を担当する。

能力は、"創壊"というもので、無から生命体以外を生み出すことができ、手で触れたありとあらゆる物を瞬時に灰に変えることが出来る。

イザナは、普段と創造の力を使う時は創造神の人格が前に出て、破壊の力を使う時は破壊神の人格が前に出てくる二重人格の持ち主。

創造神の人格はイザナミという名で、破壊神の人格はイザナギという名を持っている。


次に、アテナだが、アテナは守護に特化した竜であり、アルゴリアに存在するある国の守護竜を務めていた。

七つの美徳では、堅固を務める。

能力は、"護式"といい、守りに特化した独自の言語を使って、強力な結界やバリア等を使う。


次に、セラフィムだが、セラフィムは俺が生み出した最高位天使の1人であり、七つの美徳では慈愛を担当するが、その愛は創造主であるルカにのみ向けられる。

ルカ以外には、自身と同じ側近にだけ友愛を持つ。

それ以外の生命体には、嫌悪感を持つ。

能力は、"愛傷"といい、自身を見た格下の相手を魅了して、自身を強制的に愛させる。

自身を愛する者達はセラフィムの支配下にあり、言葉を発さずに思考だけで殺すことが可能になる。


次は、ステラだが、ステラはアルゴリアに星を生み出し星座を作り出した精霊だ。

七つの美徳の希望を担当する。

能力は"星座"であり、アルゴリアに存在する4つの星座を現す権能を行使できる。


次は、ヤタガラスだが、ヤタガラスはアルゴリアに初めて誕生した鳥であり、初めは鳥の姿だったが、ルカの力になりたいと思い人間の姿に進化した。

七つの美徳では信仰を担当しており、ルカを信仰している。

能力は、信仰であり、信仰している相手の能力の一部を使用する事が出来る。


次は、アスラだが、アスラは元人間の英雄でありルカのスカウトにより現人神となった。

七つの美徳では正義を担当する。

能力は"ジャスティス"といい、自身の宣言したルールを守り続ける限り、身体強化と持続回復と威力強化の3つのバフをランダムで1つずつ自身に付与していく。


次は、アルカナだが、アルカナは魂だけの存在だったが、鎧を見つけ宿った際にその鎧が自身の宿り木であると気づき、それ以来鎧にのみ宿っている。

七つの美徳の節制を担当している。

能力は、魂装と言い、自身が葬ってきた魂達の持つ能力を宿した鎧や武器を作り出し、鎧や武器の換装をして、その元になった魂達の能力を行使する事ができる。


次はルシェルだが、ルシェルは元々セラフィムと共に生み出された最高位の天使だったが、セラフィムとの大喧嘩の末、堕天使へと堕天した。

七つの大罪の傲慢を担当している。

能力は、堕天といい、ありとあらゆるものを逆にする。

天を地とし、地を天にするなど、指定した存在を逆の存在へと変える。


次に、ベルフェだが、ベルフェは悪魔の王としてルカに生み出されたが、見た目や性格が影響しているのか、唯一ルカに悩みや相談を持ちかけられる父親的存在。

七つの大罪では怠惰を担当するが、普段は怠惰を表す象徴でもあるのだが、ルカに対してのみ怠惰にはならない。

能力は、"堕落"といい、その場から動かない限り、ありとあらゆる攻撃を無効化し、自動的に無詠唱の魔法で、攻撃してきた相手を攻撃する。


次にマユラだが、マユラは人を騙す事を好み生き甲斐とする道化師。

七つの大罪では、強欲を担当している。

能力は、"化かし"といい、自身や触れた対象の見た目を変えたり、言葉で人を惑わし、その惑わした対象の持つ能力を奪う事が出来る。


次にヘラだが、ルカのことになるとツンデレになる金獅子。

ただ、ルカに甘える為に猫の姿になることが多い。

七つの大罪では嫉妬を担当している。

能力は、"調節"といって、サイズや量など、あらゆる物質の大きさ、形、量を自由に変えることが出来る。


次にネメシスだが、ネメシスは鬼神であるが、創造主であるルカに使えるメイドをしている。

七つの大罪では憤怒を担当している。

能力は、逆鱗といい、怒りの感情がある時に限られるが、その怒りを膨大させて、理性を失う代わりに、身体を巨大化させ、身体能力を数億倍という訳の分からないほど強化させる。


次は、マールだが、マールは狼状態の時に、そのもふもふの毛並みが理由なのか、ルカに抱き枕にされる為、わざわざ夜になると狼状態へと変わり、ルカの近くに擦り寄りに行く。

七つの大罪では色欲を担当し、よくルカにセクハラ紛いな事をしている。

能力は、"夢幻"といい、永劫に続く夢の世界を作り出し、その世界のルールを自由に決めて、その中に入った者達の行動や命など、その者の全てを自在に操ることが出来る。

その夢の世界で起きたことは、中に入った者にとっては現実であり、夢の世界で死ねば、現実でも死ぬことになる。


次は、グラだが、グラは元々は大量にいたレガシーオークの生き残り。

七つの大罪では暴食を担当する。

能力は、"食物連鎖"といい、自身が喰った、もしくは自身を食らった者の持つ全ての能力を手に入れる。

そして、自身を殺した際、死体から食欲をそそる匂いを発し、精神支配のように全ての者が自身の肉体を食らうように勝手に身体が動く。

自身が食われるとその喰った者を苗床として、数日後にその者を食い破り、苗床の命を犠牲に生き返る。


能力を再確認したルカは、それぞれグループに分けていく。


「まず、攻略者組合に入り、攻略者として活動しながら俺達をこの建物に閉じ込めたゲーム会社やらの詳細な情報と目的と住所を調べる大人組と、地上にあるらしい攻略者学園に潜入し、人間の善悪を見極める子供組に分ける」


ルカはそう言うと、セラフィムとヤタガラスとアスラとアルカナとルシェルとベルフェとマユラとグラの8人が大人組として潜入し、

ルカとイザナとアテナとステラとヘラとネメシスとマールの7人が子供組として潜入することになった。


「それでは、反対意見が無さそうだから、準備を済ましたら行こう」


ルカはそう言って、総勢15人のアルゴリア最強の神達は外である東京に向けて、ダンジョンを降りていくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

レイド〜異世界に囚われた者達〜 刀剣 夜音 @JIN-KOKURAI

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画