転校してきてすぐに洋服がかぶったら彼氏ができちゃった⁉︎ちょっと…キュンキュンがとまりませんけどっ⁉︎これは、好きになっちゃうって〜♡
猫の集会
キュンキュンがとまらない
わたしの名前は、
…
キライ。
自分の名前がほんとに大キライ‼︎
今日、父の仕事の都合でこの町に引っ越してきたばかり。
新しいベッドに転がり、新しい天井を見上げて大きくため息をついた。
あーあー…前の学校のお友達元気かなー…。
新しい学校嫌だなぁー…。
前の学校でもらったみんなからの寄せ書きをみて涙ぐんだ。
…
自己紹介…したくないな。
行きたくない…
…
学校には、行きたくなかったけど…やっぱり行かなきゃだし、仕方なくランドセルを背負った。
このランドセルは、自分で選んだし気に入っているけど…でも、なんだか気持ちが重いせいか、ランドセルもいくらか重く感じた。
学校に着くと、早速先生が色々教えてくれて、そして…ついに新しい四年生の教室の前へとついてしまった。
…
あードキドキするー…。
とりあえず、わたしは廊下で待たされた。
そして先生に呼ばれてランドセルのまま、教室へと入り自己紹介した。
ゆきむらここあですと。
そしたら、だれもわたしの名前を聞いても普通だった。
ホッ
安心したと同時に少し驚いた。
だって…なんか、みんなわたしを見ているんだけど…でも、とにかくまっすぐ真剣にわたしを見ている男の子がいたの。
まばたきもしないで、ずっとまっすぐこっちをみているから、なんだか吸い込まれるんじゃないかって少し怖くなったくらいだ。
その男の子からの視線が丸一日続いた。
でも、特に話しかけてくるとかは、なかった。
そんな次の日…
やらかしてしまった…
絶望的です…
…
なにがあったって…
まさかの…まさかの男の子との洋服が丸かぶりだったのです…。
そりゃ、男の子でも女の子でもいける色だし…別に男女関係なく着れる洋服なんだけど…
まさかの同じ日にかぶるとか…最悪。
しかも服が被った男の子って…昨日ずっとわたしを見てきていた男の子…なんだよね。
あー、やらかしたわ…
絶望感のなか、ランドセルを下ろして授業の支度をしていたら、あっという間にとある男の子にお揃いの洋服が見つかってしまった…
「えっ⁉︎おまえら、お揃いの服ー⁉︎」
ってね。
もうさ、一瞬でクラスのみんなの視線を集めちゃったよね…。
そしたら、お揃いの服の男の子がさ…いきなり
「あー、もうバレたか。そうだよ‼︎お揃い!いいだろー」
なんて言って嬉しそうに笑ったの。
あ、嫌がられなくてよかったって少しホッとした。
そしたらなんか…なんかさ…男子たちが
「おーそろ‼︎おーそろっ‼︎」
って騒ぎ出したわけ。
…
どうしようって困っていたら、その男の子が
「そんなに羨ましい?ごめんねみんな!実は言ってなかったけど、オレと心愛ちゃん付き合ってんだ」
なんて言い出したの!
えっ⁉︎
わたしがびっくりしていると、クラス全員もびっくりしていた。
そりゃね…。
「えっ、
一人の男の子が目をぱちくりさせて驚いている。
そんな驚きにも動揺せず寒沢くんは、
「うん。だからみんな雪村狙うなよ」
って、ニヤッとした。
…あの人、寒沢くんっていうんだ。
名前を覚えたと同時にわたしの彼氏…になった…の?かな⁇
いまいちよくわからなかったけど、その発言後男子たちがお揃いの服って騒がなくなった。
放課後、帰ろっかなって思ってたらいきなり寒沢くんが後ろから走ってきて、
「彼氏役嫌だったら、いつでも解雇してくれて構わないからな」
とだけいい、また走って行ってしまった。
…
彼氏役⁇
役なんだ?
寒沢くんがなにを考えているのかわからなかったけど、でも…たぶん寒沢くんが優しい人だっていうことは、わかった。
なぜって、移動教室のときとか一緒に行ってくれたりするんだ。
体育館とかにも。
で、その都度
「仲良し〜」
ってからかわれるんだけど寒沢くんは、ケロッとした顔で
「当たり前じゃん。彼女なんだから!ずっと一緒にいたいって思うのが恋人だろ?」
なんていうの。
恥ずかしいよ。
よく寒沢くんは、そんなこと言えるなって思うけど…でも、ちょっと嬉しかったりする。
わたしは、そんな寒沢くんのおかげであっという間に校舎のいろんな教室を覚えることができた。
それに、全然迷子にならなかったし、とっても心細くなくて助かった。
下校も、同じ方向の女の子に寒沢くんが声をかけてくれて、
「オレの彼女と一緒に帰ってあげてよ!ほんとは送ってあげたいけど、寄り道すると先生に怒られちゃうからさ。それじゃ、ハッピーな一日を〜。みんなまた明日ねー。明日は、給食みんな大好きカレーだよ〜ん。白い服着てくるな〜黄ばむぞー」
って笑わせてくれてその場を和ませてくれた。
寒沢くん…
ありがとう。
わたしは、そんな寒沢くんがいつのまにか気になる存在になっていた。
寒沢くんのおかげで、わたしはあっという間にクラスにも学校にもなじめた。
なんなら、友達もすぐにできた。
寒沢くんのおかげだ。
そう心の中で感謝していたある日から、寒沢くんがわたしとの友達の仲を邪魔しないようにと、なんだかそっと見守っている感じが伺えた。
そしてだんだんわたしの友達が増えるにつれて、寒沢くんが離れていった。
…
もう、彼氏のふりしなくても大丈夫だよね?ってことなんだと思う。
ありがとうって言わなくちゃ。
でも…なかなかいう機会も勇気もなくて…それに、ありがとうって言ったら彼氏役解除されそうで、こわかった。
そうこうしている間に、もうすぐ卒業になってしまう。
さらに最近知ったのだけれど、寒沢くんは別の中学に行ってしまうのだそう。
…
言わなきゃ…卒業までに言わないと。
そしてなんとか掃除の時にありがとうっていうことができた。
でも、ちゃんと伝わった?かな…?
ゴミ捨てのタイミングだったから、ゴミ捨てありがとうって勘違いされたかも?
あー、やっぱりわたしってダメダメ人間だよー…。
卒業式の日、寒沢くんは笑顔でわたしに元気でねって言ってくれた。
だからわたしも、寒沢くんもお元気でって返したの。
それだけ…。
そんなダメダメなわたしは、そのまま成人した。
卒業以来寒沢くんには、あっていない。
でも‼︎
成人式で寒沢くんに会える‼︎
もう子どもじゃないし、きちんとあの時はありがとうって伝えるんだって決めていた。
そして式が終わって、夜にみんなで集まることになったの。
だからわたしは、一番最初に寒沢くんを見つけて隣に座ったの。
そしてすぐに、あの時きちんと言えなくてごめんなさい。とても感謝していると言うことができた。
寒沢くんは、優しい顔で笑った。
好き…
やっぱり寒沢くんが大好き。
でも、彼女いるよね…。
こんな素敵な人…みんなほっとかないよね。
だから、お礼が言えただけでわたしは満足‼︎
いい‼︎
もう、飲もっと‼︎
「寒沢ー、なに飲む⁉︎」
幹事さんが一人一人飲み物を聞いてきた。
そして寒沢くんは、大きな声でわたしを見ながら、
「ココア一択‼︎」
ってこたえたの。
えっ⁉︎
そしたら歓声が沸き起こってね。
「じゃあ、そのお隣の雪村さんは何飲む⁉︎」
とテンション高めで聞かれたの。
だからわたしは、
「寒酒一択‼︎です‼︎」
て、寒沢くんを見ながらこたえたわ。
そのあと、肩を寄せ合って二人で笑った。
大盛り上がりのなか、わたしと寒沢くんは近くの友達たちと、昔このことで話のはなが咲いた。
ああでもない、こうでもないって。
あの時、ほんとに付き合ってたの?とかね。
だから寒沢くんが、本当のことを話してくれた。
アレは、わたしを守るためだって。
一目惚れして、好きだったからって。
まぁ、今でもその気持ちはかわらないよ?なんていきなり告白されてびっくりしたけどね。
だから、わたしはそっとみんなが見えないところで、寒沢くんの手を握りながら
「今も昔も両思いだね♡」
って寒沢くんを見ながらこたえたの。
寒沢くんは、わたしの手をギュッと握りながら、
「今すぐにでもキスしたいくらい大好き」
って言いながら手を恋人繋ぎにかえたの。
もう、キュンキュンすぎるっ‼︎
それからずっと手を繋いでいたら、いつのまにかお開きの時間。
あっという間だったな。
そして、とってもほっこりした時間でもあった。
三次会行く人ー⁉︎って盛り上がっている人たちもいたけど、もちろんわたし達は二人でそのまま手を繋いで、初デートをするのでありました♡
もちろんキスもね♡
♡♡♡♡♡♡
おしまい♡
転校してきてすぐに洋服がかぶったら彼氏ができちゃった⁉︎ちょっと…キュンキュンがとまりませんけどっ⁉︎これは、好きになっちゃうって〜♡ 猫の集会 @2066-
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